Diary 2004・9月28日(Tue.)
オススメの本
さういへば先日、ウノくんが来店してくれた。ウノくんはイチモトくんと同年の若きソウルファン。むろん二人は友人で、ビル・ブランドンの話で何時間も盛り上がつたり、シングルレコード一枚に何万円も出したりする痴れ者同志だ。そんなウノくんだが、現在は就職して埼玉の会社の寮に住んでゐる。で、先日は大阪に里帰りしたついでに、オパールに寄つてくれた、といふ訳だ。
その時、ウノくんが私の日記を参考にして本などを購入してゐる、といふ事が判明した。私のいい加減な日記を参考に! あれは、日記のネタに詰まつて適当に誤魔化してゐるだけなのに、と非常に申し訳なく思つたので、ここにウノくん用にオススメの本を考へてみることにした。
- 『マンボ・ジャンボ』 イシュメール・リード(国書刊行会)
- ブラックミュージックファン必読の呪術的ポストモダン小説。アフリカン・アメリカンの歴史を、オカルティックに再構築したジャズでヒップホップな小説で、作者のイシュメール・リードは、2pac のリリックを評価したりもする現役の豪快な黒人作家だ。ま、ブラックカルチャー関係の基本文献とも言へるものだが、といふ事は、ウノくんも読んでゐるかもしれない。でも、念のため。
- 『患者見殺し 医療改革のペテン』 崎谷博征(光文社)
- 最近読んだ本の中で最も面白かつたもの。小泉政権がアメリカの言ひなりになつて進めやうとしてゐる医療改革を批判する本で、日本は世界に誇れる「国民皆保険」を死守せよ、と主張する。日本といふ国がいかに官僚やエリートを優遇し、庶民を踏みつけにしてゐるか、どれほどアメリカの言ひなりになつてゐるか、が余すところなく、医療の立場から描かれてゐる。非常に有益。文章はあまりこなれてゐないが、これは全ての人にオススメします。
- 『弥勒』 稲垣足穂(河出文庫 その他)
- 私の最も愛する作品のひとつ。読む人を選ぶ、とは思ふ。が、ウノくんやイチモトくんには是非読んで欲しいやうな気がする。ただし、変な影響を受けないやうに要注意(特にイチモトくん?)。
- 『お目出たき人』 武者小路実篤(新潮文庫 その他)
- これを読んで大笑ひしながらも、慄然としたら大丈夫。安心してまたレコードリストを吟味してください。…ッて、ホンマかいな。
うーん、実は本日も日記のネタに困つてゐたのであつた。
小川顕太郎 Original: 2004-Sep-30;Amazon.co.jp で 関連商品を探す |
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