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 Diary 2004・1月1日(WED.)

紅白歌合戦

 またしても、寝ずに実家に帰る。お祝ひをし、おせち料理を食べ、酒を飲む。何故か実家にはワインが常備されてゐるので、口が卑しい私は、眠さで頭が朦朧としてゐるくせに、シャンパンや赤ワインを開けて飲んでしまう。当然、そのまま倒れて昏睡。変はりばえのしない正月である。

 続いてトモコの実家へ。年末から年始へかけては強行軍だ。さきほど食べたばかりだが、またしてもおせちを食べる。食べねばならない。頑張る。酒も飲む。眠い。

 義父が「紅白歌合戦」をビデオに録つてゐたので、それを皆で観る。観たのは後半部分だけだが、かなり興味深かつた。とにかく、知らない人間のオンパレードだ。司会者も知らない人だ。歌も知らないものが連発するが、どれもこれも一聴して下らない、と脱力するものばかり。酷いことになつてゐる。何故か昔の歌のカバー、セルフ・カバーが多かつたのだが、これらはどれも聴ける。曲が、現在のヒット曲に較べると、段違ひに良いからだらう。なんなんだ、この退廃は。別に、私が古い人間になつた、といふ訳ではないと思ふ。何故なら、私はヒップホップといふ現在最新形のポップミュージックを聴いてゐるからだ。ポップミュージックなんて、最新形でなければ意味がない。それなのに、20 年くらゐずれた音楽をやつてゐる人たちがワサワサ出てくるなんて、一体どういふことなんだ! と、眠気と酔ひで半眼となりながら、私はテレビに毒づき続けた。

 平井堅がなかなか良くて、ちよつと機嫌を直したところで、続々と演歌の人たちが出てきた。彼(女)らは、みな素晴らしい。まづ、歌がうまい! といふか、歌といふのは、かういふものだらう? 坂本冬美なんか、聴いてゐて泣きさうになつた。…あれ? 坂本冬美が泣いてゐるのか。いかん、つられてしまつた。でも、なんで泣いてゐるの、坂本冬美。細川たかしなんか、今まであまり興味がなかつたけれど、素晴らしかつた。いい、いいよ。そしてサブちゃん。うーん、カッコイイー! 私は、すつかり画面に釘付けになつた。

 ところで、今回の紅白のトリは、なんと SMAP 。もしかして、世間的には「なんと!」と驚くところではないのかもしれないが、私は驚いた。SMAP がトリ? 何様のつもりやねん。ジャニーズ事務所の圧力と違ふんかい! と、義父・義母の前で暴れながら気炎をあげてゐたのだが、曲が始まると、思はず黙つてしまつた。なかなかイイのだ。歌詞の内容は、まともな神経の持ち主ならつい赤面してしまうやうなクサいものだし、SAMP の面々も歌がうまい訳でも、ルックスが良い訳でもない。はつきり言つて、ダサい。が、それでも、なにかオーラのやうなものが出てゐる。やうな気がする。なんなんだ、これは。曲もなかなかよく、もしかしてこれは最新形の歌謡曲なのかもしれん、と考へ込んでしまつた。うーん、酔ッ払ッたか。

 紅白は、白組の圧勝で終はつたが、これも SMAP のおかげのやうな気がする。ううむ、SMAP 。

 なんか、とんでもないスタートを切つたやうな気がします。

小川顕太郎 Original: 2004-Jan-3;