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 Diary 2004・8月23日(Mon.)

夕されば

 夕方から雨。いはゆる夕立といふ奴だらうが、バケツをひッくり返したやうに激しく、結構夜遅くまで降つてゐるのが特徴だ。これが最近は毎日である。私は仕事の関係上もあつて、起きるのが昼過ぎなので、そこから洗濯などをする訳だが、始めた時はよい天気なのに、いざ洗濯が終わつて干し終はつてしばらくするとこの夕立に見舞はれるので、難儀である。本日もさう。一通りの家の仕事を終へ、パソコンをたちあげて日記を書いてゐると、ポツッポツッと雨粒が窓を叩く音がして、ハッとすれば、ザーッとやつてくる。急いで洗濯物を取り入れるのだが、まだ乾いてをらず、溜息をついてしまう。思はず、「夕されば…」と呟く。もちろんこれは「夕方になれば…」といふ意味だが、ついつい「夕方が過ぎて夜になれば…」と思つてしまう。これは、「されば」といふのが「去れば」といふ意味を連想させて「夕方が去れば」と考へてしまうのも一因だらうが、何より万葉集の舒明天皇の御製「夕されば 小倉の山に 鳴く鹿は 今夜は鳴かず 寐ねにけらしも」が浮かんでくるからで、「夕されば」→「今夜」となつてゐるので、やはり「夕方が去つて」と思つてしまうのだ。……ま、どうでもいいんだけど。

 最近、ヴァン・ハント、トリーナ・ブラウザード、ラサーン・パターソンが続けざまにアルバムを発表した。ここら辺はみんな仲間で、前 2 者に関しては、やつとこさのデビューアルバム。内容はなかなか良い。真打ち(?)のラサーン・パターソンは、前作『LOVE IN STEREO』 があまりに素晴らしかつたので、私は待ちに待つて、待ちすぎてもう忘れかけてゐたほどなんだけど、なかなか不遇だつたらしく、5 年ぶりのサードアルバムである。やはり歌手にとつては、現在のヒップホップ隆盛のシーンは、なかなかに厳しいやうだ。本日届いたので、まだ一度しか聴いてゐないのだけれど、70 年代ソウル・ファンクの臭いが充満してをり、お! 今風か? と多少驚きながらも、やはりラサーン・パターソン節は健在で、満足の 1 作。アルバム名は『AFTER HOURS』 。すでにオパールでのヘビロテとなつてゐる前 2 者の仲間に加はるでせう。

 明日も、夕立かなァ。

小川顕太郎 Original: 2004-Aug-25;
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