Diary 2004・4月30日（FRI.）
明晰夢
明晰夢、といふのか、夢のなかでこれは夢だと自覚してゐる夢、をみる。自覚夢、とも言ふらしいが、今日のはかなり自覚的であつた。それは、夢のなかでこれは夢だと自覚してゐるのはもちろんのこと、もう起きる時間を過ぎてゐるので起きないとやばい、といふ事まで自覚してゐたのだ。そしてそれはその通りで、私は結局 2 時間ほど寝坊してしまつたのだが、一体夢の中で何をしてゐたのかといふと、映画を観てゐたのであつた。現在夢を見てゐる、といふ事が分かつてゐたので、いま目を覚ましたら二度とこの映画を観ることが出来なくなる、と思ひ、私はそろそろ起きないとやばいとは分かつてゐたものの、目を覚ますことが出来なかつたのだ。ただひたすら、早く観終はつて目を覚まさなければ、と焦り、映画がはやく終はることだけを願つてゐた。また、この映画が全くおもしろくないのであつた。あんまり面白くないので、確か黒人が主演の冤罪物であつたやうな気がするが、内容は全くと言つてよいほど覚えてゐない。正に夢幻のごとしで、こんな事なら夢中映画など観ずに起きれば良かつたと思ふが、そんな映画でも無意識に蓄へられて何かの肥やしとなるのだらうか。
明晰夢といふのはコントロールができるやうで、東洋の神秘系の宗教では、明晰夢の意志的な統御、といふのが修行の一環としてあるところが多いやうだが、私の今日の夢の場合、どうすれば良かつたのだらうか。とか言ひながら、そんな修行に別に興味はないのだが。
ゴールデンウィークがなかなか始まりません。
小川顕太郎 Original: 2004-May-2;