Diary 2004・4月29日(THU.)
ツナ缶
我が家で一番消費されてゐる缶詰は何であらう、と考へてみると、それは多分、ツナ缶なのであつた。トマトソースを作る時に中にいれてアクセントにしたり、大根おろしと一緒にパスタにのせて食べたりする。サラダに混ぜ込むこともママある。しかし、なにより多い食べ方は、やはりそのまま食べるのであつた。実を言ふと、私はそれほどツナ缶は好きではない。が、トモコの好物なので、買ひ物に行くとつい買つてしまう。トモコも自ら買つてくる。といふ訳で、我が家には常にツナ缶のストックがあつて、何かと調理に使つたり、小腹が空いた時に食べたりしてしまう、といつた次第なのであつた。
本日もツナ缶を開けてゐたのだが、その時にトモコが言ふに、トモコが幼い頃に観てゐたテレビドラマで水前寺清子が魚屋の娘、石坂浩二が食料品店の息子といふ役で、お互い惹かれあひながらもいがみ合つてゐる、といふ設定のものがあり、そのドラマの中であるとき水前寺清子が石坂浩二の店に鮭缶を買ひに行つて、石坂浩二に「魚屋の娘がなんで鮭缶なんて買ふんだ」と嫌味を言はれ、「鮭缶と鮭は違ふわ!」と言ひ返すシーンがあつたらしく、何故かそれが強く心に残つてゐるのださうだ。「わたし、魚の缶詰を食べるたびに、あのシーンが頭に浮かぶのよねェ」。うーむ、まさか、毎度毎度そんな事を頭に浮かべながらツナ缶を食べてゐたとは。
ゴールデンウィークはまだ始まつてゐないやうです。
小川顕太郎 Original: 2004-May-1;