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 Diary 2004・4月27日(TUE.)

悪徳の快楽

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 先日 DVD で『マルキ・ド・サドのジュスティーヌ』(1970 、ジェス・フランコ監督)を観たと言つたが、同じ監督による『悪徳の快楽(1969)を観る。なんでまたそんなものを観たのかと言ふと、これまた色々と子細はあるのだが、これも煩雑だから略す。言ひたい事はただひとつ。この映画は、正に私とトモコが望んでゐた、結果として外したものの『マルキ・ド・サドのジュスティーヌ』もさうではないかと睨んでゐたのだが、素晴らしい B 級お洒落映画の傑作であつた、といふ事だ。とても同じ監督による(出演者もだぶる)同時期の作品とは思へない程、『悪徳の快楽』は『マルキ・ド・サドのジュスティーヌ』に較べて完成度が高かつたのだ。ジェス・フランコが、一部から“GOD”と崇められるカルト監督である、といふのが納得できた。時代は現代、マルキ・ド・サドの快楽主義哲学を信奉する秘密クラブの面々が、ひとりの清純可憐な処女を生け贄に選び、ある儀式を行ふことを計画する……といつたストーリーなのだが、出演者のファッション、屋敷、家具、舞台となる孤島の風景、など、すべてが B 級に完璧で、音楽も素晴らしい。時代風潮もあつて、ドラッグを用ゐる場面ではサイケデリックな音が鳴り響く。そして御大クリストファー・リーの登場…。意外、といふより無茶な結末、薄ッぺらで深みを感じさせない哲学的意匠、全体に流れる懐かしい雰囲気。かういふ映画が、一番好きかもしれない。

 明日の晩から、いよいよゴールデンウィーク突入です。

小川顕太郎 Original: 2004-Apr-29;
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