デジカメを購入
私が店に行くと、クラタニくんがデジカメを手に、熱心になにやらトモコに説明してゐた。さう、クラタニくんからデジカメを購入したのだ。ちなみにクラタニくんは、カメラなどを扱つてゐる会社に勤めてゐる。その横には、イチモトくんがビールを飲みながら座つてゐた。
「ホンマにねェ。ボクがあんなハイテク機器に辿り着くのは、いつになることやら、と思ひますよ。遠い。あまりにも、遠い。デジカメ、あまりにも遠い。そんなボクも、こんなものなら持つてゐるんですけどねェ」と、カバンからシングル盤を取り出す。「ルーサー・イングラムのファースト! これはちよつと珍しいですよ。ちよつと持つてない。他にもコレとかコレとか…実はサウス・キャンプ(レーベル)のコンプリートを密かに目指してゐるんですよ。もうあと少し、なんですけどね。だから、遠いなァ、デジカメ」
そりゃ、遠いわ。
ベッチ来店。「今日は雨だから B-BOY ファッションはお休み。さういへば、このあいだ買つたズボンは太すぎて、裾も絞つてなかつたから、引きずつて引きずつて。もう、白いズボンが真つ黒。」
クラタニくんがカシャッとシャッターを切る。「あ、デジカメ買つてゐる」。さういへば、その昔ベッチもクラタニくんからデジカメを購入したのであつた。
マツヤマさん & フクイくん来店。「さァ! 演サバ、演サバ! 次回で最終回だよ! あ、ババさんも是非来て下さいよ。次で最後なんで。ギャラリーで構はないですから」
「はい」
トモコがカシャッとシャッターを切る。「あ、デジカメ」「デジカメ買つたんですか、それならジャンジャンと撮つて下さい。ジャンジャンと、飽きる前に」とババさん。
マツヤマさんは「ボクもデジカメ買おうかなァ」と呟いて、クラタニくんの目を光らせてゐた。
タケオカくん来店。「酷いぢやないですか! ボクのことをサモア人みたいだなんて日記に書いて…」
「えー! どういふことー! いいぢやない、サモア人のどこが悪いのよー。わたし、タケオカくんがレイシスト(人種差別主義者)だなんて、ちつとも知らなかつたわ!!」と、トモコがデジカメを持つて介入。
「え、いや、さういふ訳ぢや…ただ、もう少し格好いいものに例へて欲しかつたと…」
「えー!! 格好いいぢやない、サモアン・ギャング! 髪の毛とか三つ編みにして、全身にタトゥーをいれるの。素敵だわー。タケオカくん、何も分かつてゐないわねー。カシャッ!」
とにかく、タケオカくんも、B-BOY ファッション対決に向けて頑張つて下さい。そこではデジカメが活躍するのかな?
一日中、雨でした。
小川顕太郎 Original:2003-Nov-29;