いぢめ
ハシモトくん & マツイさん来店。ハシモトくんの恐ろしいイヂメの実態が暴かれる…といふのは大袈裟だが、先日ハシモトくんが来店した時、「ボクはそんな大したイヂメはしてゐないですよ。中学生の時に、学生服のボタン、あの『中』と書いてあるやつをチンチンに熱して、それを同級生の額に押しつけ、額に『中』と痕の残つたそいつをみんなで『ラーメンマン』と呼んで囃したくらゐですから」と言つてゐたので、うーむ、これはかなりの事をやつてゐるに違いない、と睨んでゐたのだが、本日、マツイさんの証言によつて、その一端が白日の下に晒されたのであーる!
ハシモトくんの友だちが、動物の血液を運ぶ、といふバイトをしてゐた時、その運ぶ車は荷台の部分が冷凍庫になつてゐるのだけれど、ある一人の友だちを「ドライブしやう」と言つて呼び出し、その冷凍庫に閉じこめて街中を「ドライブ」したのださうだ。最初のうちは「やめろ! マジでやばい!!」と叫びながら、その閉じこめられた友だちは中から車をガンガン叩いてゐたさうなのだが、みんなでそれを聞いて笑つてゐるうちに、気が付けばシーンとしてゐる。さすがにまずいのではないか、と車を停めて冷凍庫を開けると、中から紫色の顔をして歯をガチガチ言はせた友だちが、転がり出てきた。それを見て怖くなつたハシモトくんたち悪童どもは、近くのラーメン屋にそいつを連れていき、熱いラーメンを食はせて事なきを得たとか。しかし、その時に、そのラーメンに店中の擦りニンニクをぶち込んだ、といふのだから、全く懲りてゐない。やはり、相当のことをしてゐるな。
「いや、違ふんです。それはイヂメぢやないんです。ほんま、そいつが憎くてどうかしてやらう、といふ気持ちは全くなかつたんです。楽しい遊びみたいなもんなんです」とハシモトくんは必死で弁解するが、しかし、イヂメといふのはやつてゐる方は楽しいんぢやないのか? で、やられてゐる方は楽しくない。そのやられた子は楽しんでゐたのか?
「さァ、それは分からないですけど…。でも、みんな面白がつてた訳だし」
その「みんな」に、やられてた子は入つてゐないやんか。それに、その後、何個か悪戯の話を聞いたが、いつも被害者は同一人物、つまり、その閉じこめられた子だ。やはりこれはイヂメでは…
「いや、違ふんです。ほんと、別にそいつ嫌いぢやなかつたんです。なんとなく、役割みたいなもんで…」
うーむ、さういふのを「イヂメ」と言ふんぢやないのかなァ。うーむ。
今日は雨でした。
小川顕太郎 Original:2003-Nov-7;- 訂正申し入れ
- 店主の日記:2003・11月9日
「訂正申し入れ」