Diary 2003・3月28日(FRI.)
死霊
河原町のブックファーストに行くと、なんと! 講談社文芸文庫から『死霊』埴谷雄高著が出てをり、ビックリした。とうとう『死霊』まで…と、感慨に耽る。確か生前の埴谷雄高は、自著が文庫になる事を拒んでゐたはずだ。だから私は、埴谷雄高の本はほとんど読んだ事がない。だつて、埴谷雄高のハードカバーって、高価なんですもの。立ち読みで少し読んだくらゐかな。『死霊』に関しても、間違ひなく戦後文学史上に屹立する大怪作であることだし、『死霊』全巻(と言つても未完だけど)を読んでゐる可能涼介から幾度となく話を聞かされ、面白さうだ、いつかは読まなくては、と思ひながら、何度も古本屋で真黒な本を手に取つたのだけれど、結局読まずに今日まで至つてゐる。まあ、そんな本ばつかりだけれどね。で、これを機会にと、購入。今年は、『死霊』を読むか。……それにしても、このブックファーストは、『死霊』が山積みにしてあつたのだけれど、そのコーナーには、『神聖喜劇』大西巨人著も全巻山積みにしてある。店員に変な人でもゐるんでせうか。売れるのか? これらの本。売れるなら、それに越したことはないんですが。
あ、さうさう、えー、大家が破産寸前で差押へを食つてゐたレディックビルですが、とうとう競売で売れました。神戸の某会社が買つたさうです。これで一応は落ち着いた、のかな? いやいや、まだ予断は許さない、といふ話もあります。とりあへずは、オパールはこのままレディックビルで営業を続けることが出来さうなのですが…。
小川顕太郎 Original:2003-Mar-29;