Diary 2003・3月9日(SAT.)
北海道はよォー
マツヤマさん来店。何故か寿司の話になり、話題は白魚の躍り食ひのことになつた。
「白魚といへば、北海道に居た子供の頃、川に白魚をとりに行つたことがありますよ。その川はねえ、ある時、川全体が白魚になるの。もう水がない! 川が全部白魚になつて、ピチピチ跳ねてゐる。さうなれば、みんな集まつてきて、網やバケツで白魚をとりまくる。トラックで乗り付ける奴も居て。で、ボクも一度だけ友だちに誘はれて行つたんだけど、面白くないのね、いくらでも採れるから。その時はボクも子供で、白魚に別に興味があつた訳ぢやないし、まあ、親のために家に持つて帰ろうとしたんだな。で、一度採つた白魚を川に戻したりして、また採つたりして、遊んでゐたの。ところが、気がついたらもう川に白魚が一匹もゐない! もう、一瞬でゐなくなるの。採つた白魚は川に戻しちやつてたから、焦つてねえ。なんか、虚しかつたなあ」
さういへば、先日マツヤマさんに、北海道の江差の名物である「五勝手屋」の羊羹をいただいた。この江差といふ所は、江差追分でも有名だが、昔から京都と交流が深く、祇園祭とそつくりの祭があるさうだ。当然、山鉾が出るのだが、この山鉾も、全て京都で作らせて船で運んだものらしい。そんな所だから、食べ物の味付けが総じて濃い北海道の中で、この江差は薄味なのだといふ。京都風といふことですか。「五勝手屋」の羊羹も、薄味でおいしかつたです。
その他、北海道には、サーモンではなく、ちやんと鮭の刺身がある(ただしソルベ状になつてゐる)こと、茹で海老などといふネタはなく、ちやんと生海老のネタがある(甘海老のことだつたかな?)といふこと、などを教へて貰つた。
久しぶりに、お寿司屋さんに行きたくなりました。
小川顕太郎 Original:2003-Mar-11;