Diary 2003・7月3日(THU.)
読書の敵
久しぶりに本屋に行つた。四条通り沿いにあるジュンク堂へ。私はここしばらく、なるべく本屋には行かないやうにしてゐた。行つても、雑誌のコーナーしか見ないやうに気をつけてゐた。といふのも、買つただけで読んでゐない本が、何十冊も、何百冊も、何千冊(?)も、家中に溜まつていくことに、耐へ難い思ひを感ぢてゐたからだ。買ふより先に読めよ、読んでから買へよ、と、自分自身に言ひたい気持ちでいつぱいである。
が、今日は少し事情があり、本屋にやつて来てしまつた。なるべく買はないやうに、買はないやうに、気をつけながらグルグルと店内を廻つてゐたのだが、気がつけば、手に何冊かの本を持つてゐる。いかん! と自らを諫め、本を棚に戻す? …が、しばらく経てば、また同じやうに何冊かの本を…。瞬く間に、2時間以上も時間が経つてしまつた。文庫本の棚の所で、目黒考二の、酒と女は読書の敵、とかなんとかいふ本の題名が、眼に飛び込んでくる。なるほど。しかし、読書の最大の敵は、実は本屋なんぢやないか、と考へてみる。2 時間強もあれば、薄い本の 1 冊は読めただらう。このまま、何も買はずにここを出ると、本来なら読書にあてる事ができた貴重な 2 時間を、無駄に使つたことになる、やうな、気がする。ので、結局 6 冊ほど本を購入。…いつ読もうか、これ。
もしかしたら、この日記こそ、読書の最大の敵なんぢやないか。
小川顕太郎 Original:2003-Jul-5;