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 Diary 2003・4月7日(MON.)

くろすけ

 トモコのお母さんが京都にやつて来たので、3 人で花見に行く。

 まづは上七軒歌舞練場前にある豆腐料理屋「くろすけ」にて昼食。ここは昔はお茶屋さんだつたらしく、なかなか良い感じ。押し絵の屏風や梅の絵など。渡り廊下で隣の棟と繋がつてゐるのも楽しい。これで庭に桜の木があれば、と、オリジナル日本酒「くろすけ」を飲みながら思ふ。お昼の豆腐懐石 3000 円。満腹・満足してそこを出る。

 梅の名所であつて桜の名所ではないが、ついでだからと北野天満宮へ。お参りをしやうとしてゐると、「はい、ちよつと退いてください」と言ひながら、全身白装束に身を包み、菅笠を被つた修行者らしき人たちの一群がやつてきた。参拝者の人たちを、些か強引に追ひ払ひ、黒い腰掛けを神殿の前に据ゑると、そこに多分一番偉い人が座り、他の人々がそれを囲むやうにして、般若心経を唱へ始めた。「写真は撮らないでください!」と、周りの参拝者を制したりしてゐる。なんだかなー、と私はそれを見てゐたのだが、フッとこれら修行者の人たちの足下を見ると、一番偉い人は草鞋だつたものの、他の人たちはみなスニーカーであつた。まあ、そんなもんか。

 平野神社に行く。満開の桜。たくさんの桜の木々が咲き誇つてゐる様は、やはり心が浮き立つ。平野神社は、色んな店が有料席を出して、絶好のお花見スポットはその有料席で占められてゐるのだが、そこは見事に空席。ここは夜桜が有名なので、夜にならないと埋まらないのかな? とも思つたが、マキさんによると、今年は夜でもガラガラださうだ。やはり、席料 3 万円は高すぎるのかな。私も、今となつては、よく 2 年前に 3 万円も払つたもんだと思ふ。立つたまま、花見をする。

 すつかり夜型の生活になつてゐる私とトモコは、あまり寝る間もなく今日の花見に臨んだのだが、もちろん、この後、仕事が控へてゐる。家に戻り、30 分ほど仮眠をとつて、店に向かう。慌ただしい。さういへば、

 世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

 といふ歌があつたよなあ。なるほど、こんな感ぢか。

 桜は今週いつぱいでせう。

小川顕太郎 Original:2003-Apr-9;