Diary 2003・4月6日(SUN.)
エイプリルフール
マキさん来店。ブラジルに取材旅行に行つてゐるといふ話だつたので、おかへりなさい、と声をかければ、「ただいまー…て、いふか、みんな酷い!!」と怒られてしまつた。実は、マキさんが「ただいまブラジルに取材で来てゐます」といふ書き込みを BBS にしたのは 4 月 1 日。つまりエイプリルフールで、嘘! だつたのだ。ところが、私はすつかり騙されてしまつて、ブラジルに行つてゐるんなら仕方ないよなあー、と、マキさんを 4 月 3 日の花見に誘はなかつたのである。
「あの日、私は東京から桜の取材に来た人を、平野神社に連れていつてゐたんですよー。そこで、『ああ、さういへば 2 年前にオパールのみんなとここで花見をしたなー、楽しかつたなー、今年はしないのかなー』って、考へてゐたんですよー。それが、その頃、みんなで円山公園で花見をしてゐたなんて! みんな、酷いー!!」
…すんません。でも、あの書き込みぢやあ、嘘と分かりませんよ。
「どうしてー! ブラジルですよー。フランスならともかく、ブラジルですよー、あり得ない!」
さ、さうですか? 北朝鮮やイラクならともかく、ブラジルならあり得るやうな気がしますが。どう思ひますか、マツヤマさん。
「といふより、意味ないよ、あの嘘。たとへば、4 月 1 日に『今日は風邪で寝てゐまーす』とか書き込んで、しばらくしてやつて来て『実はあれは嘘で、あの日は元気だつたんですよー』とか言ふやうなもんだよ。あまり、意味がない。」
「……酷い」
まあまあ、私が見事に騙されたんだから、嘘としては成功ぢやないですか。私もね、人を騙すことばかり考へてね、まさか自分が騙されるとは! ははは、自分の愚かさを思ひ知りました。
「……酷い」
……はは、…ごめんなさい。
小川顕太郎 Original:2003-Apr-8;