Hip Hop
Immortals
先日『Hip Hop Immortals』というヒップホップアーティストの写真集を、アマゾン US から取り寄せて購入した。40 センチ× 30 センチぐらいの大判のハードカバーで、値段もそれなりにして、送料込みで 1 万円くらい。が、日本では 1 万 5 千円で売っているものなので、これでもお買い得だ。内容も、1 万円は十分に出す価値がある素晴らしいもので、ページをめくるといきなりドレが炎の中から走り出してくる、といった具合だ。実は、はっさくさんもこの写真集を買ったらしいのだが、もちろん内容には満足したうえで、ウォーレン G やドッグパウンドなどウエッサイの重要アーティストが載っていない事に、ちょっとショックを受けていたようだった。まあ、ウエッサイもの(西海岸のヒップホップ)からヒップホップに入り、ほとんどウエッサイ一色のはっさくさんならショックを受けるのも無理ないかもしれないけれど、やはりウエッサイはヒップホップの本流ではないからね。本流はあくまで東海岸。発祥の地はニューヨークのサウスブロンクスだし。とはいえ、私もいまや完全にウエッサイ!! なので、本流とかなんとか、そんな事どうでもいいやん、と思っていますが。
そうは言うものの、例えば少し前の「映画秘宝」での町山智浩の発言、それは『MIB2』についての対談中に言った、「ウィル・スミスなんかヒップホップじゃない、だって暴力もセックスも歌詞に出てこない」といった内容のものを指すのだけれど、こういった類の発言には反発を覚えてしまう。確かにウエッサイのギャングスタ・ラップによって、暴力やセックスについてラップするのがヒップホップという偏見が広まったかもしれないが、それがヒップホップの本流・主流ではない。あくまで本流は東海岸だし、ギャングスタ・ラップは傍流に過ぎない。ヒップホップについてよく知らないのに、偏見でおかしな断言をしないでくれ、とか思ってしまうのだ。まあ、この対談はお笑い対談なので、町山智浩も軽い気持ちで(半ば冗談で)言ったのだろうし、ここで私が力を入れるのも間抜けなのですが。それに私も、密かにウエッサイこそヒップホップの(本流とはいえなくても)真髄なのではないか? と考えているこの頃のわけだし。
今この日記を書きながら、スヌープの新作『PAID THA COST TO BE DA BOSS』を聴いている。この作品について、ウエッサイの生んだ最大のアイドルであるスヌープについて、思うところはたくさんある。が、長くなるので、また何かの機会があれば、ということで。
小川顕太郎 Original:2002-Nov-1;