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 Diary 2002・5月30日(THU.)

ヘルムート・ニュートン展

 梅田大丸に行って、『ヘルムート・ニュートン展』を見る。ヘルムート・ニュートンは、トモコの好きな写真家のひとりなので、トモコが何冊か写真集を持っており、私もそれらを借りて眺めたりはしていたのだけれど、実物を見るのは、たぶん初めて。少なくとも、これだけまとまった量を一度に見るのは初めてのはずだ。

 この写真展は、現在までのニュートンの仕事を大きく振り返るもので、代表作が多く展示されている。それら写真集で親しんできた写真の実物をみると、やはり実物(オリジナルプリント?)は違うなあ、と圧倒される。あの有名な、4 人のモデルが服を着ているやつと裸のやつの 2 枚組の写真なんかは、こんなに大きかったのか! と単純に感心した。

 それにしても、ヘルムート・ニュートンというのは、人々の下世話な欲望をすくいとるのがうまい。上流階級、あるいはセレブ達が、一般大衆の及びもつかない淫事に耽っている、という、一般大衆の嫉妬半分憧れ半分の気持ちを、うまく刺激する「スキャンダル」な臭い漂う写真を撮り続けている。この才能と、一流モデルや俳優を裸にひんむく力はさすがで、やはり彼は歴史に残るファッションフォトグラファーだな、と確認した。実を言うと、昔はそれほどヘルムート・ニュートンには感心しなかったのだが(メイプルソープとかに感心していた)、最近はヘルムート・ニュートン的なものに、感心してしまう。心境の変化だな。

 久しぶりに大丸のビルの上の「カプリ」にて夕飯をとり、帰途につく。休みの日は、あっという間に終わりますね。

小川顕太郎 Original:2002-May-1;