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 Diary 2001・10月3日(WED.)

おがくず風呂

 トモコとユキエさんが某所に「おがくず風呂」に入りにいった。「おがくず風呂」とは何か? それは文字通り檜の「おがくず」の風呂なのだが、何故「おがくず」なのかと言うと、この「おがくず」の中にある酵素が発酵させてあり、この酵素が身体にいい。さらに「檜のおがくず」自身も、マイナスイオンやらなんやらで身体によいらしく、まあ私にはよく分からないが、とにかく身体にいい! という事なのだ。

「おがくず風呂」は、風呂というより巨大なプールのような大きさで、そこに満杯に「おがくず」が詰まっている。で、おじさんが一人いて、スコップで穴を掘ってくれ、そこに首だけ出した状態で埋められる。酵素の発酵熱で「おがくず」の中は大変熱い。70 度くらいあるそうだ。そこに首だけ出して埋められていると、汗がおびただしく出る、という。ううむ、確かに身体に良さそうだ。

 だいたい 15 分ぐらいと聞いていたのでトモコは汗を流しながら頑張っていたのだが、15 分を過ぎ、20 分を過ぎても、おじさんは何も言わない。あれ? 初めてだから、ちょっと長めに入った方がいいのかな? と考え、また必死に頑張っていたのだが、ふと横を見ると、ユキエさんが口を半開きにして放心している。大丈夫かな? と不安に思うトモコ。そのうちユキエさんが、ちっとヤバメの鼾をかきはじめた。こ、これはマズイ! と、トモコはおじさんに「えーと、まだですかねえ」と尋ねた所、「もう少しですねー」と答えられ、そうか、もうちょっとらしいからユキエさん頑張って! と内心で激励しながら、トモコ自身も必死に耐えていたのだが、そのうち心臓が破裂しそうに動悸が激しくなり、気が遠くなってきた。だめだ。もう限界かも…と考え「ユキエさん! ユキエさん!」と呼んだのに、返事がない。もおーう、ダメー!! とそこを飛び出し、ユキエさんも引きずり出した。「ユキエさん! 大丈夫!?」「…気を失っていたようです…。」

 そこにおじさんがやってきて「あんまり無理しちゃダメだよー」。おまえが無理させたんやろがー! とトモコは内心激しく突っ込んだが、そのままユキエさんを連れて、身体についたおがくずを流しにいった。すると、自分たちが出るのと入れ違いに風呂に入ったはずのおばちゃん達が、もうあがって、身体についたおがくずを流しにきた。どうやら勝手に時間を決めて出るものらしい。それならそうと早く言ってよー! と、トモコは叫びたかったそうです。

 その頃、私はショウヘイくんとともに、暇な店でまったりとしていました。

小川顕太郎 Original:2001-Oct-5;