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 Diary 2001・10月2日(TUE.)

働く

 可能涼介から電話。可能のお父さんは 60 歳で定年退職し、現在は年金で暮らしているのだが、やる事がなく、毎日夫婦喧嘩をしているそうだ。

 私の父親も一度は長年勤めた会社を定年退職(正確にはちょっと早めの退職)をし、その後は友人のやっている会社に勤めていたのだが、そこが不況のあおりで倒産。仕方なく、今はもと居た会社の紹介で、小さな会社に入って働いている。大会社に勤めていた時は、単身赴任を嫌がって、出世を犠牲にしてまでも(?)、単身赴任を断り続けた(残念ながら1度はやっているが)父親だが、今回の小さな会社ではいきなり単身赴任だ。断るも糞もないのだろう。

 この事実を、悲惨だと見る見方もあるだろうが、必ずしもそうとは言えない。可能のお父さんは、定年退職間際に必死に勉強して、かなり難しい資格を取り、退職後の再就職に備えたのだが、結局再就職は出来なかった。年金のおかげで生活は出来るものの、上述したように毎日やることがなく、夫婦喧嘩ばかりやっているという。

 可能は、「こちらの方が悲惨だよ、だってうちのオヤジ、どうみたって老人にみえない、まだまだ中年ってかんじで、80 歳まで生きるとして、これから 20 年もどうするっていうんだよ」という。

 確かに、人は働けるうちは働く方が幸せなのだろう。それがまっとうに生活するという事ではないのか。などと考えていると、ユキエさんが来店した。ユキエさんは、某有名ケーキ店で、ケーキ職人として働いている。一日の労働時間は約 12 時間。そして休憩時間は 10 分だという。

「10 分!? たった 10 分で、いったいどうするの?」と私が驚いて問えば、「お昼ご飯を食べるんです」と答えるユキエさん。いや、それはちょっと無茶では…そんなんじゃあ、帰ってもすぐに寝てしまうんじゃない?

「というか、茫然自失しています」

 ユキエさんは、4 年ほどその店に勤めているのだが、今や一番の古株。みんな身体を壊したり、精神を病んだりして辞めていくそうだ。うーん…そりゃそうだろう!

「こんど 13 連勤があるんです。今まではせいぜい 10 連勤だったので、耐え抜けるかどうか、ちょっと不安です。」

 …あ、あんまり働きすぎるのも、どうかと思いますよー。

小川顕太郎 Original:2001-Oct-4;