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 Diary 2001・11月1日(THU.)

トゥームレイダー

 京都スカラ座にて『トゥームレイダー』を観る。アンジェリーナ・ジョリーかっこいい! 最高!! …って言う以外、何がある? アンジェリーナ・ジョリーはかっこいいけどストーリーは下らないよ、と散々聞かされていたし、また実際その通りに、アンジェリーナ・ジョリーはかっこよかったけどストーリーは下らなかった。こういった映画は別にストーリーなんてどうでもいいじゃないか、という意見もある事だし、ここでことさら「ストーリーの下らなさ」を書くのは馬鹿げているかもしれない。しかし、馬鹿げているからこそ、敢えてちょっと書いてみるか? んー、もうちょっと何とかなったんじゃない?

 例えば、私の気になったのは、実際の父親でかつ父親役のジョン・ボイトとの再会シーン。映画の中でララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)のお父さん(ジョン・ボイト)は死んでいるのだけれど、父親を愛しているララは、時間を自由にあやつる「光の力」を持つ古代の秘宝を手にいれて、時間を遡って父親と再会する。

 が、父親の遺言は、「光の力」を人間が悪用しないように、その秘宝を破壊せよ、という事だったのだ。当然、お父さんはその事をララに注意する。が、この時の父親ジョン・ボイドが弱いんだー。はっきり言うが、ここではララを叱り飛ばさなくてはダメだ。それも残酷なまでに強く。

 ララは、最初に古代の秘宝の一部を手に入れた時に、それを壊さなくてはならなかった。それが世界を救う事だからだ。が、自分が死んだ父親と会いたいばっかりに、悪の組織と協力し、古代の秘宝を復元してしまう。ダメだろうがー、ララ。結局、悪の組織を倒したからよいものの、自分の利己心で世界を危機にさらしちゃー。自分で世界を危機に陥れておいて、自分で世界を救う。ララは我の強い女なのですね。かつ、ファザコン気味。

 この話は、ファザコン故に世界を危機に陥れたララが、ファザコンを克服し、世界を救い、真に自立した女になる話なのです。いちおう構造上は。だから、あそこで父親は厳しくララを叱らなければならない。愛情をともなった残酷さで、ララの自立を促さなければならないのです。あそこまで利己心の強いララが、父親に「ダメじゃないかー」と言われたぐらいで簡単に翻心するのは、作劇術として弱い。ダメです。

 この生ぬるさは、ゲームが原作というのから来ているのだろう。いかにもオタク的だ。が、受肉化したララ・クロフト=アンジェリーナ・ジョリーは、そういうオタク的な生ぬるさを吹っ飛ばすようになって欲しい! 『トゥームレイダー』はシリーズ化するようなので、これからもっとクールになって欲しい! 今回もかなりかっこよかったが、アンジェリーナ・ジョリーならもっといけるはずだ。『唇からナイフ』のモニカ・ビッティよりも(ああ! でもモニカ・ビッティも大好きなんですが)、『コフィー』のパム・グリアを目指してほしい。顔も黒人顔で最高にかっこいい事だし。ま、勝手な注文ですがー。

 最後にもう一度。アンジェリーナ・ジョリー最高!(ストーリーは下らないが)

小川顕太郎 Original:2001-Nov-2;