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 Diary 2001・5月18日(FRI.)

三島賞

 朝の 6 時頃に可能涼介から電話。眠い目をこすりながら受話器をとると、「とりましたよ。三島賞。」というので何のことかと思えば、中原昌也が三島賞をとったという話だった。昨夜、受賞が決まったそうで、それから中原昌也本人や福田和也らと飲みに行き、さっき別れたところだという。そうですか、とりましたか中原くん。まあ、よかったよかった。

 いまや文学賞なんて何の意味もないけれど、この間の町田康の芥川賞と今回の中原くんの三島賞は、かろうじて意味があるような気がする。いまどきまともに文学者を目指す人間には決してまともな文学は書けず、かえって町田康や中原昌也のように他のことをやっていた人間のほうがよほど良いものを書ける、という事実を知らしめ、文学界に刺激を与えることが出来るだろうから…。

「ところがさあ、同時受賞者がいるんだよ。青山真治。小説版『ユリイカ』で。」

 な、なにい! それは…確かに青山真治も映画監督で他ジャンルからの文学参入だけれど、ちょっと意味が違ってくるんじゃないか? 要するにもう文学賞なんて茶番で、文学は再生不可能なまでに死んでいる、というこれまた事実を知らしめ、文学界の退廃を決定的にすすめることになるのでは…。いや、青山真治の『ユリイカ』は読んでいないんですけどね。

 どうやら福田和也 & 島田雅彦の両人が中原昌也を推し、それを肯んじえない宮本輝ら残りの選考委員が中原昌也に対する対抗として、青山真治を推したらしい。…やっぱりダメじゃん、青山真治。いや、別にダメでもないのかな。まあ、どっちでもいいです。

 未来探偵ユキエ来店。本日も素晴らしい収穫物を持参してくれた。長岡市の西山体育館で入手したビニールシート。そもそもの起こりは、西山体育館に未来くんの人形があるという情報を入手したことだった。その写真を撮りに出かけた未来探偵ユキエは、まずその未来くんのあまりの不細工さにビックリする。3 頭身 、しかも頭ばかり横に大きくて身体は細い。かつ歯が生えている。それでも未来くんである事にかわりはない。未来探偵ユキエはその未来くんを写真に収めた。そして西山体育館の人にしつこく食い下がり、手にいれたのがこのビニールシートだ。

 このビニールシートにはなんと! 京都国体の全種目を行っている未来くんの絵がついているのだ!! 柔道、水泳、体操、ロードレース…。そして京都市の地図が書いてあって、どこで何の種目が行われたかが分かるようになっている。素晴らしい。さらに未来探偵ユキエの熱意にほだされた西山体育館の人が、長岡市の市役所で様々な企画に携わっている友人を紹介してくれた。来週はその人を訪ねるという…。いったいどこまで行くのか未来探偵ユキエ。私もちょっぴり恐くなってきました。そろそろ独立のコーナーを作るべきか。とにかくもうこうなったらとことんまで行け! いや、行ってください未来探偵ユキエさん。よろしくお願いします。

小川顕太郎 Original:2001-May-20;