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 Diary 2001・6月24日(SUN.)

オズの魔法使い

 ビデオで『オズの魔法使い』を観る。これはトモコが幼い頃に最も気にいっていた映画で、その強烈な印象の故に、黄色いレンガの道を通ってオズの国に行く夢を何度も観た、という。私は初見。できればスクリーンで観たかったのだが、そんな事をいっていたら、いつまでたっても観られないので、まあいいか、とビデオで観てしまったのだ。

 素晴らしかった。オズの国に着いて、何十人もの小人がゾロゾロと大量に出てきた時には、うわー!! 狂ってる!! と頭を抱えてしまった。悪夢のような素晴らしさだ。この映画は、古典中の古典といわれるぐらいの傑作なのだが、そのぶんあらゆる人々からパクられまくっている。一番ひどいのはディズニーで、ディズニー映画はこの映画からのパクリのみで成り立っている、とまで言う人もいる副島隆彦とか)。確かに、ディズニ−ランドって、オズの国そっくりだけれどね。他にはスター・ウォーズ。ブリキ男と R2D2 、臆病ライオンとチューバッカ、レイア姫とドロシーはそっくりだ。

 まあ、それはよいとして、約 30 年振り(?)に『オズの魔法使い』を観たトモコに感想をきいてみる。「面白かった。でも昔観たように純粋には楽しめなかった。」なるほど、それはそうだろう。でもどんな所が? ときいてみると、やはり、大人になると色々な事がみえるようになるんですね。上記で述べた様々な蘊蓄のネタ本である副島隆彦著『ハリウッドで政治思想を読む(メディアワークス)にも述べてあるが、オズの国とはオージーの国=オーストラリアの事なんですね。この話はけこう有名で、私もトモコも他の所で知った。つまりオズの国にいるグロテスクでかわいい小人達は原住民、エメラルドの人々とはイギリスで浮浪者狩りで集められ、オーストラリアに捨てられたアイルランド人、スコットランド人、ケルト人達のことなのだ。そういう被差別・未開のオズの国を支配する大王とは、アメリカからやってきた山師で、インチキを使って王国を支配している。彼ははっきりと、本国(アメリカ)に帰っても職がない、と言っている。

 ということは、ドロシーのしきりに言う「家に帰りたい」というセリフ、家に帰るための魔法の呪文「家ほど素敵なところはどこにもない」というセリフの意味は…。ね。そうそう素直に楽しめないでしょ。でもこの映画は傑作だ。面白すぎる。感動いたしました。

 本棚を整理していたら、三一書房の夢野久作全集がでてきた。約 10 年振りに手にしたその全集の第 5 巻『犬神博士』をパラパラとめくっていると、「フウタラヌルカ」という言葉が目に飛び込んできた。ああ! 『神聖喜劇』で使われていた言葉だ! 『犬神博士』は舞台は福岡。『神聖喜劇』は対馬だけれど、九州弁として出てきていたはずだ。その他にも何かないか、と探すと、「〜なかろうもん」という言い回しが出てきた。う〜ん、ちっとも覚えていなかった。ちなみに『犬神博士』は明治時代の話で、『神聖喜劇』は第二次大戦時。今でも福岡の人々は、こういう言葉を使っているのでしょうか。知りたいものです。

小川顕太郎 Original:2001-Jun-26;