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 Diary 2001・12月30日(SUN.)

右から左まで

 オオヤさんが今年最後の珈琲豆の納品に来る。その際、このあいだ約束した生田耕作著『ダンディズム』を貸すと、オオヤさんは大いに喜んで「じゃあ、代わりにこれを上げます」と言って、「週刊金曜日」をくれた。…「週刊金曜日」って…。「いやー、実は初めて買ったんやけど、ここまでしょうもない雑誌とは思わんかったわ!!」とオオヤさん。よかった、ちょっと安心。では、有り難くいただいておきます。

 忘年会あとのマツヤマさん御一行が来店。マツヤマさんはかなり御機嫌で、シェリーを飲みながら怪気炎をあげる。隣に座っているファンタスティック・プラスチック・マシーンのタナカさんが小さく縮こまる程だ。しばらくしてカウンターにやってきたマツヤマさんは、思いっきり憂国の情をぶちまけた。

「もうねえ、ほんとにボクはねえ、来年はどうしようかと、このままでは日本はどうなるんだ! ボクの悩み・心配はそれだけ、ほんと、新しい教科書も今年は惨敗するし、朝日のやつらがねえ…ほんと、来年は『新風』にでも入ろうかなあ、このままじゃあ、やばいよ日本。アメリカにやられちゃうよ、アメリカ。アメリカは問題だよ…。」

 私はいちいち頷きながら、まだカウンターの傍に置いてあった「週刊金曜日」を、ソッとしまった。うーん、オオヤさんとかち合わなくてよかった。オオヤさんは、どちらかと言えば左だしなあ…と思ったのだが、よく考えれば、オオヤさんは私とも仲良くしているし、確かオオヤさんから貰ったクリスマスカードには「来年はアメリカが少し困りますように」と書いてあった。そうだ、問題はアメリカなんだ。アメリカの帝国主義がいま、世界中を無茶苦茶にしつつあるんだ。だから、それに抵抗し、この日本を守るには、右も左もない。みんなで一緒になってお酒を飲んで、ひっくり返って寝てればいいんだ。あるいは踊ってればいいんだ。音楽はソウルミュージックで…あ、ここらへんは趣味の相違が出るかなあ、どうしよう。

「さー、今からボクのオンステージだよ! サブちゃん、サブちゃん! サブちゃん最高!!」と、マツヤマさん。は! そういえば、オオヤさんもサブちゃんが好きだったはず。そうか、音楽はサブちゃんか! 日本の心、根本保守、民族派。右から左まで包摂するサブちゃんは偉大かも。私も来年はサブちゃんでいくか。

 平成 14 年が好い年でありますように。

小川顕太郎 Original:2001-Dec-1;