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 Diary 2001・4月6日(FRI.)

腎虚

「腎虚」という言葉がある。これは漢方の病名で、腎気(精力)欠乏に起因する病気の総称のことである。俗に、房事過多のために起る衰弱病を指す。というような事を、私は広辞苑をひいて知った。なんでこのような言葉の意味を調べているかというと、『神聖喜劇』に出てきたからだ。『神聖喜劇』に次のようなうたが出てくる

「君ゆえに腎虚せんこそ望みなれ 命知らずとよしいはばいへ」

 これが東堂太郎の頭の中に響くのだが、なんとも良いうたではないか。これは俗謡か。しかし本日、斉藤茂吉の歌集『赤光』をパラパラとめくっていたら、次のようなうたが目に止まった。

「酒の糟あぶりて室に食むこころ 腎虚のくすり尋ねゆくこころ」

 ううん、これもいいうただ。前者の遊び人によるギラリとした刃物のような感じも良いが、後者のなんともうらぶれた感じも棄て難い。そういえば、斉藤茂吉には次ぎのようなうたもある。

「猿の肉ひさげる家に灯がつきて わが寂しさは極まりにけり」

 これも私の好きなうただ。このうたを口ずさみながら思ったのだが、次回のオパールの集まりには、オイシンに猿の肉を用意させよう。そしてみんなで猿の肉を食おう。

 私は小学生の時にマンガ『すすめパイレーツ!』を読んで以来、猿の脳味噌が食べたくて仕方がないのだ。…私は何を書いているのか。

 今日は、お花見帰りと思しきお客さんがひと組きて散々飲んでくれた以外は、暇。明日からは雨になるそうです。桜もそろそろ散ってしまう。かも。

小川顕太郎 Original:2001-Apr-8;