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 Diary 2000・10月21日(SAT.)

夜空に星のあるように

 先日観たスティーブン・ソダーバーグ監督の『イギリスから来た男』(1999 年)にフィルムの一部が使われていた、ケン・ローチの長編劇映画デビュー作『夜空に星のあるように』(1967 年)をビデオで観る。ケン・ローチ臭のプンプンする素晴らしい作品だった。

 この作品にはヒロインの子供として幼い男の子が出てくるのだが、この男の子の映像を、『イギリスから来た男』では女の子として使っている、はずだ。記憶違いかもしれないが、もしそうだとすると、あんまり幼い子供は外見上の男女の区別がないという事を利用していて、面白い。1966 年、67 年というスウィンギング・ロンドン真っ盛りのイギリスで、シーンとは無縁なんだけれども、しっかりと時代に捕まれている下層社会の若者達をドキュメンタリータッチで描いたケン・ローチの作品と、その 30 年後の現在を、シックスティーズをキーワードにフィクショナルに描いたスティーブン・ソダーバーグの作品。その見事な関係に、もうこの 2 作品を離して考える事ができない。片方しか観ていない人は、是非とももう片方も観て欲しい。と、思いました。

 イズミくんが、彼女と一緒に初来店。先日、ウェラーズクラブで行われたイズミ & イワブチ & ヒラノ 3 氏によるノーザンソウルのパーティーに行けなかった事を謝る。イズミくんからは聞いていたのだけれど、すっかり日にちを忘れていた。次回のソウルサバイバーズ 11 月 10 日には必ず行くので、その時にまた、と言って別れる。

 ババさんから「顧客満足(CS)」について講義を受ける。どうやら「顧客満足(CS)」のミソは、顧客を満足させるためのサービスを数値化する所にあるようだ。例えば、苦情処理とか、一見過剰なサービスとかは、どれほど売り上げに貢献しているか分かりにくい。それを特殊な計算式を使って数値化し、こういうサービスをすれば、もしそのサービスをしなかった時に較べて、何%の売り上げ増、とかいう形で目に見えるようにする。なるほど、いかにもアメリカっぽいやり方だ。アメリカニズムの要諦は、数値化にある。なんにでも複雑な計算式を作り上げて、数値化する。ヘッジファンドとかはその典型だろう。

 しかし、敢えて言わせて貰うなら、サービスとかは数値化できない、というか数値化してはならないものだろう。サービスを数値化すると、結局そのサービスは成績になる、戦略になる、それが体系化されればマニュアルになる。つまりは心がなくなり、サービスではなくなる。マクドナルドの 0 円の笑顔と同じものになるのだ。

 なあんて、またしても聞きかじりの知識から、分かったような事を書いてしまいましたな。ははは。アーンチ・グローバリズウウム!

小川顕太郎 Original:2000-Oct-23;