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 Diary 2000・10月17日(TUE.)

リンクカードシステム

 リンクカードシステムという会社の人が、「アンケートに答えていただけますか?」と言いながら、店にやってきた。ははあ、これはキャッチセールスと一緒で、アンケートに答えさせておいて、結局何かを買わそうというやつだな、とは思ったのだけれども、かんじの良い人だったし、なにより今日はメチャ暇で開店してからまだ 1 組しかお客さんが来ていなかったので、アンケートに答えることにした。

 すると、「まず DVD を見て下さい。」と言って小型の機械を鞄から出し、ボタンを押した。小さな画面に多分この会社が製作したのだろう番組が映し出される。私は DVD を見るのは初めてだったので、その小ささと鮮明さに驚きながら見た。

 番組の内容はやはり、この会社の「リンクカードシステム」の説明で、それは飲食店のお客さんの店に対する不満を様々な形で拾い出し、その意見を他の最新情報とともに店にフィードバックする、というものだった。やはりアレか、と思いながら質問を受ける。

 質問は「お客様の不満を知る事は価値ある事だと思いますか?」「こういったシステムは店を経営していく上で役に立つと思いますか?」等というものばかり。要するにこれはアレじゃないのか、という思いをずうっと抱きながら質問に答え続けていた私は、我慢しきれずに思わずこう言ってしまった。

「これってその、アレでしょ? その、ユーザビリティって奴でしょう?」

 その言葉を聞くと、その人はなんだか困ったような顔をした。しまった! 余計なこと言ったかな? というか、もしかしてこの人、「ユーザビリティ」という言葉を知らないのかもしれない。私は多少慌てながら、店をやっているものにとってお客さんの不満だとか批判を知る事はとても大切である事、しかしだからといって匿名のお客さんの不満と批判から匿名のお客さんの「ニーズ」を探り出し、それに合わせて経営方針を決めていくようなやり方は、うち(オパール)のように事業規模を拡大する気もなく、「独特」がウリになっている店にはそぐわない事、故に御社のそのシステムは、うちに関してはあまり魅力的ではない事、などを伝えた。

 その人は「分かりました。じゃあ、今日のはあくまでアンケートなんですけど、改めての我が社の説明などは必要ではないですね?」と最後に尋ねたので、私は「はい。」と答え、このアンケートは終了した。「ユーザビリティ=顧客重視」という流れに乗った、こういう商売がすでにあるのだと、興味深く思った。

 本日はまことにまことに暇だった。赤字すれすれであった。ううむ、オパールも「ユーザビリティ」でいくべきか。なんてね。アーンチグローバリズウウム!

小川顕太郎 Original:2000-Oct-19;