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 Diary 2000・10月8日(SUN.)

ミオさん帰国

 ミオさんが台湾から帰国して、タクヤくんとともに来店。ちょうどその時にコフィーファッションで来店してカウンターで暴れていたミツギちゃんが、思わぬ所でミオさんに会えた事に感激し、「嬉しい!」と抱きついて号泣。賑やかな事ですな。ミオさんは台湾で私のこの日記を読んでいて、ネタがなくて苦しんでいるのを哀れに思い、ネタつくりのために帰国してくれたそうだ。

 で、そのミツギちゃんだが、約束の生姜ご飯を持ってきてくれる。これはトモコへの誕生日プレゼントかな? 何故なら本日 10 月 8 日はトモコの誕生日だからです。すでに昨日のうちにベッチが名前入り特注茶筒を、ババさんがオリエンタルカレー首振り人形をプレゼントしてくれていたが、今日はウエナカさんが王子動物園のパンダバッジを、ヤマネくんが自身の身体に関するプライベート情報の載った用紙をプレゼントしてくれた。「みなさんどうもありがとうございました」とトモコは言っておりました。

 アキラ 28 が来店。南座での芝居観劇帰りで、珍しくスーツ姿。これがなかなかに様になっていて、感心する。私は、モッドだったからだというわけではないが、若い人が格好良くスーツを着こなしているのには好感を持つ。最近の若者はカジュアル指向が強いので、特にそう思うのかもしれない。大体、人生で最初にちゃんと着るスーツがリクルートスーツだった、というのでは先行きは暗いだろう。その点、まだ若いけれど芝居を観に行くのにスーツを着る、というアキラ 28 はよい。「ボク、実は裃も持っているんですよ」。え、か、かみしも? それは、凄いですね。

 はっさくさんが来店。「今月のコーヒーってどんなのですか?」と尋ねられて、「ハイチの豆です」と答えたものの、味などの説明がちゃんと出来なくて困った。味の説明って難しい。「カリブ海産の豆特有の味で…」とか言っても、その「カリブ海産の豆」の味が分かっていないと、説明にならない。これは実は音楽でも一緒で、「ノーザンソウルといっても、デトロイトよりはシカゴで…」などと言う説明は、分からない人にはさっぱり分からないだろう。つまりは「文化」というのはそういったもので、ある程度深く踏み込んだ人とじゃないと、話も出来ない。まず、飲むこと、聴くこと、食べること、観ること。

 などと言ってごまかしましたが、関係のない説明をさらに重ねてごまかしをごまかします。ハイチというのはヴードゥー教の盛んな所なんです。で、そのヴードゥー教の祭壇に供えるのが、なんとコーヒーらしいんですね。ハイチではそのコーヒーを、「ニグロの汗」って呼んでいるらしいですよ。ハイチはフランスの植民地統治下で、ずっとコーヒー豆を作り続けていたんですね。つまりハイチのコーヒーには、黒人達の汗と涙と恨みがこめられているんですねえええええ。ってこんな事を書いたらみんな飲まなくなるのでは。いや、美味しくて、私は大好きな豆ですよ。そもそもハイチに限らず、コーヒーという商品自体が、帝国主義的・植民地的な飲み物なんだから、ま、あまり気にせず、アンチグローバリズムでも唱えながら、一緒にコーヒーを飲みましょう。

小川顕太郎 Original:2000-Oct-9;