京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

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 Diary 2000・11月5日(SUN.)

おまわりさん

 店が終わって、ショウヘイくんとオイシンとトモコと私の 4 人で三条商店街を河原町から寺町の方に向かって歩いていると、ちょうど三条寺町の交差点の所でいきなり 3 人の警官が現れ、行く手を阻まれた。

「京都府警ですけどお、ちょっといいかなあ」

 と言って自転車に乗ったオイシンを取り囲む。どうやら盗難車かどうかを調べるらしい。よく止められるの? とか訊かれて、オイシンは「はい」とか答えている。ショウヘイくんも自転車に乗っていたので、ついでに「ちょっと見せて貰えるかなあ」とか言われて登録ナンバーをチェックされる。

 それにしても彼等の白々しいタメ口はなんとかならんもんか。本人達はもしかしたら、街の親しみやすいおまわりさん、のつもりなのかもしれないが、単に無礼なだけだ。登録ナンバーを照会している間、主に私が彼等の相手をする。

「こんなに遅くまで何してんの? アルバイト?」

「いや、仕事をしていたんです。」

「仕事って何?」

「カフェをやっているんです。」

「カフェ? こんなに遅くまで? なんて名前のカフェ?」

「オパールです。」

「オパール? 知らんなあ。」

 当たり前やろ! と私は内心思う。多分まだ 20 代であろう彼等に、長幼の序、あるいは礼儀作法を知らんのか、とナショナリストである私は憤りを覚える。完全な教育不足だ。相手を引き留め、時間をとらせ、自分達の仕事のために多少なりとも不快な思いをさせなければならないのであれば、まずキチンと事情を説明し、「迷惑とは思いますが、御協力いただけますか?」と礼節を守った対応をするべきだ。このような輩を見ていると、激しく憂国の情にかられる。

 とはいえ、私はそれほど怒っていた訳ではなく、どちらかと言えばひたすら白けていたのだけれど、端から見ると挑戦的に写ったらしく、場はいささか緊張していたそうだ。

 当然の事だが、何事もなく、我々は解放された。

「こら! オイシン!! お前は怪し過ぎるんじゃ!!」

「な、なんでやああ、ボクは悪くないいいいい! ポーン!」

 と、その後はみんなでオイシンを責めまくる。連休最終日で、暇な日の帰り道だった。

小川顕太郎 Original:2000-Nov-7;