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 Diary 2000・4月17日(MON.)

非=国民宣言 2000

「文芸」の夏号に載っている鶴見済のインタビュー「非=国民宣言 2000」を読む。面 白い。このインタビューによると、鶴見済は「STOP JAP!」という反日運動を今やっているようだ。これは別に東アジア反日武装戦線のようなテロをやるわけではなく、日本のおかしな所を国際法に訴えて外国から圧力をかけてもらう、というものらしい。

 そんなものにどれほどの効力があるのかは疑問だが、自分の事を「名誉非国民」と名乗り、「我々非国民は日本人を公然と軽蔑する」とか言いながら、日本の事をムチャクチャ言っているのは結構笑える。もちろん首をひねるような非難もあるわけだが、大体においてあたっているからね。

 中でも面白かったのは、日本の原子力政策批判。鶴見済は、癌は放射能病だと言い切る。癌医療の説明なんか、癌の原因は放射線だという事を隠蔽し、原発推進するためのでっちあげだとまで言う。そして東海村の原発事故の時には、鶴見済は東京を脱出して大阪まで逃げてきている。

 と、これだけ書くと鶴見済はただの誇大妄想患者みたいだけれども、実際に東海村の原発事故の説明が嘘だらけであった事は徐々に分かってきている事だし、あの日に異常な数の人身事故で常盤線が止まりっぱなしであった事から、「やばい! これは交通封鎖だ!」と思い、でも周りがあまりにものほほんとしているので、「普通の人ならここで足を止めるだろう」と思いながらも逃げた、という話を読んでいると、なかなか説得力がある。一読の価値あり。

小川顕太郎 Original:2000-Apr-19;