Diary 2000・4月16日(SUN.)
写真撮影
アーティストのキムラさんが、自らの作品に使う写真を撮りにやってくる。といっても、オパールの店内を写すのではなく、オパールのはいっているレディックビルの向かいにあるロイヤルホテルの一室を写すのだ。なんかそういうコンセプトらしい。
わざわざ路面沿いの希望の部屋をとり、モデルの人達とその部屋から携帯電話でこちらとやりとりをしながら撮影する。撮影するのは京都一アンニュイな写真家であるイチカワさん。キムラさん本人は何度か行き来したものの、撮影の時はホテルの部屋の方にいた。イチカワさんに様子をきく。「もう、エロエロですわ」。エロエロか。きっとそういうコンセプトなのだろう。
ババさんが丸善で大量に買い込んだ本を持って来店。そのうちの一冊、浅田彰がこのたび出した映画の本の後書きを指して、いいこと書いてますよ、と言う。読んでみると、確かにいいこと言っている。映画が置かれている大きなコンテクストが分からず、映画の細部にのみ拘泥するシネフィルの内輪話はもううんざりだ、あまりの無知と無理解が蔓延する状況をあえて「啓蒙」するために、この本を出す、といった内容の事が書いてあった。正に、そういった「啓蒙」こそが、今最も必要なことだろう。
淀川長治は言った、映画ばかりみていては映画は分かりません、と。手塚治虫は言った、マンガばかり読んでいてはいいマンガは作れない、と。まあ、そういう事ですね。
小川顕太郎 Original:2000-Apr-17;