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第一回 ノーザンソウルとは(中編)
- オガケン
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それでは、私の「マイ ノーザンソウル トップ 10」を発表します。順不同です。
オガケン・チョイス
- My Sugar Baby Connie Clark
- I Still Love You The Sevev Souls
- I'll Do Anything Doris Troy
- Are You Angry? Service Men
- What Judy Street
- What Can I Do Billy Prophet
- (Count down) Here I Come The Tempos
- Wee Oo I'll let it be you, baby Louise Lewis Miss LL
- I Can't Help Loving You Paul Anka
- Job Opening The Del-Larks
- ヒラノ
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随分とノリノリやねえ。
- オガケン
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というか、ベタでしょう。実は、これ昨日の晩に一回すべて書き直したんです。最初は、まあ、ちょっとレアな奴を、とか、通うけしそうな奴を、とかって、どうしても選んでしまって。でも、それじゃいかん、と。ノーザンソウルと言われてすぐに浮かぶ、自分にとって思い出深い、自分にとってのノーザンを、という事で、選び直しました。
ここにある曲は、ダンスフロアの記憶と結びついているものが多いんですよ。例えば、The Tempos なら、オパールでキタアキくんがプレイしてくれた時の、Service Men なら、ケブがオトヤでまわした時の、Doris Troy なら、ヒラノさんがコラージュでかけている時の、その感覚が身体に染みついているんです。だから、自分にとって厚みが違う。
- ヒラノ
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イチモトなんか、Judy Street とかあかんやろ。
- イチモト
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別に、あかん事はないです。それはそれでいい曲だと思いますよ。ただ、ボクのベスト 10 には入らないだけで。
- オガケン
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この Judy Street とか Paul Anka とかね、ここら辺は必ずいれたかったんです。こういう白人による、ポップな曲ね、ここら辺が、まあ、いわゆる日本のソウルファンから攻撃される所じゃないですか。こんなものソウルじゃない、とね。その気持ちは、実は分からないでもないんですが、でも、ノーザンの耳で聴くと、これらは紛れもなくソウルなんですよね。共通の匂いがある。ヒラノさんなんかは、どうですか?
- ヒラノ
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うん、ボクもそう思うよ。ノーザンというくくりで見れば、ソウルなんじゃない。
- オガケン
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そうなんですよ。ここら辺りの良さが分かるかどうかが、ノーザンが分かるかどうかの分水嶺のような気がします。では、次はイチモトくん。
イチモトズ・チョイス
- Stubborn Heart Ernest Mosely
- Love Slipped Through My Fingers Sam Williams
- I Must Love You Melvin Davis 4
- Another Sundown In Watts Exits
- Sweetest Thing Channel 3
- I Still Love You The Sevev Souls
- Special Kind of Woman Paul Thompson
- Dearly Beloved Jack Montgomely
- I'm The One Who Loves You Darrell Banks
- Because Of You Jackie Wilson
- クラタニ
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しぶいなあー。
- オガケン
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Paul Thompson が入っている所が、イチモトくんらしいね。
- ヒラノ
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なんや、女性(歌手)がひとりもおらんなあ。私生活と一緒やないか。
- イチモト
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……ボクは、演奏がタイトで声に力があるのが好きなんです。ここに選んだ 10 曲は、こんな事を言ったらノーザンソウルを否定するみたいですけど、「踊るのはもったいない」ような曲ばかりです。ちゃんと聴きたい。聴いて下さい。
- オガケン
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大胆な発言ですねえ。問題にならないうちに、次に行きましょう。えーヒラノさん。
ヒラノズ・チョイス
- Stick Me Baby The Salvadors
- I Really Love You The Tomangoes
- Stubborn Heart Ernest Mosely
- Nothing Can Help You Now Lenny Curtis
- The Time Is Right For Love Bobby Reed
- I Never Knew Eddie Foster
- Find A Quiet Place Melvin Davis
- You're Thrning The Soul Shakers
- Love Slipped Through My Finger Sam Williams
- Dearly Beloved Jack Montgomery
- オガケン、イチモト、クラタニ
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ほほー。
- ヒラノ
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自分の持ってるレコードが多くなったのは、掛けている内に愛着が深くなったというのがあると思う。基本的には自分にとってあの時代を連想させるもの、あの時代に飛んでいけるもの、が選出の基準かな。特に 6 、7 、10 は、その典型やね。1 、2 は僕が考えるノーザン・ダンサーの理想型。3 、5 、9 は、じっくり聴かせる部分も持つ、言わばノーザン歌物の理想型。4 、8 は、ノーザンと言う括りがあろうがなかろうが関係無しに好きな、つまり僕のソウルの趣味を反映したもの。と言ったところですかね。それから、もう一つ付け加えると、ノーザンに関しては、あくまで自分勝手な感じ方やけど、どこかセンチメンタルなところがあるものが好きですね。
- オガケン
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ヒラノさんは、いわゆる「ノーザンソウル」にはまる前から、一級のソウルレコードコレクターだった訳ですが。
- ヒラノ
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一級なんて言うと鈴木啓志さんに怒られます。それはともかく、Lenny Curtis とか Sam Williams なんかは、昔から大好きやったね。
- イチモト
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ヒラノさんは、やっぱり The Salvadors ですかー。
- ヒラノ
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そりゃ、そうや。これは欲しい。(市場に)出ているの、見たことないけど。
- オガケン
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うーん、それはこれからのソウルサバイバーズ/ソウルチェンバーが楽しみですね。ではリーダー。
クラタニズ・チョイス
- Anything I Can Do Will Collins & Willpower
- She's Wanted Larry Clinton
- No One Else Can Take Your Place The Inspirations
- Please Stay The Ivorys
- I Really Love You Jimmy Burns
- Stubborn Heart Ernest Mosely
- I Thought You Are Lying Natural Four
- Can't We Talk It Over L. Allen
- Thanks The Lord For Love Living Color
- Suspicion The Originals
- クラタニ
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ボクのも順不同です。なかなか選ぶのが大変で。
- イチモト
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っていうか、さっきそこでコソコソ選んでいたじゃないですか! あれだけ、ちゃんと選んでくるように言ったのに…。
- クラタニ
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ははは、ごめんごめん。
- オガケン
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なんといっても、クラタニくんは、さきほどオパールに置いてあるノーザンのコンピレーション CD を見ながら、選んでいたからねえ。うーん、しかし、そういういい加減な所がクラタニくんの持ち味な訳だし、こうやっていい加減に選んだ方が、かえってクラタニくんらしさが出ているかもしれない。じゃあ、ちょっと聞いてみようか。えー、この Living Color を選んだ理由は?
- クラタニ
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ああ、それねえ。昨日うちに(レコード屋から)届いたんですわ、それで昨日聴いていたから印象に残って…。
- オガケン
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……やはり、聞かない方がよかったかな。むむむ、じゃあ、素朴な質問だけど、クラタニくんにとって「ノーザンソウル」とは?
- クラタニ
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それはですねえ、人生の応援歌です!(きっぱり)
- オガケン
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ええ!? え、演歌?
- クラタニ
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例えば仕事で営業にまわっている時、今は不況や不況やと言われているから、どうしても小さくなってしまうんですよ。もう、「すんません」と謝りながら、飛び込み営業をしてまわる感じ。でも、営業車の中でノーザンを聴いているとですねえ、もおおおう、素晴らしい! こんな素晴らしいものに較べたら、営業なんてなんやねん! そんなしょうもない事いちいち気にしてられるか! と力が沸いてきてですね、「まいどー!!」と、めっちゃ自信満々に乗り込めるんですわ。
- ヒラノ
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お、なかなかいいこと言うやないか。
- イチモト
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うんうん。(ひたすら頷く)
- オガケン
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うーん、さすがソウルサバイバーズのリーダー。締める時は締めますね。いや、おみそれしました。ノーザンは人生の演歌、もとい、応援歌だと。まあ、演歌も人生の応援歌ですから。それはともかく、では他の人にも同じ質問をしてみましょうか。えー、ではイチモトくんにとって、「ノーザンソウル」とは?
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