Movie Review 1999・10月22日(FRI.)
hole
過激だ。相変わらずの蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)節炸裂。
設定は(あまりにも)近未来。あと七日で 2000 年と言う日から始まる。謎のウィルスでゴキブリ病なる奇病が蔓延している地区のとある集合住宅。水道工事の人が、誤って床に穴を開けてしまう。その部屋の男と階下の女の物語り。台詞少ない。長回しはいつも通りなのだが、今回はさらに、いつもにも増して暗〜い。李康生(リー・カンション)もやはり、いつものネクラなおにいちゃんしてます。
そこに『狂わせたいの』を彷佛とさせる、いきなりのミュージカルシーン。なんじゃこりゃ? です。
愛とゴキブリとミュージカルと雨とラーメンと猫。死ぬ程の陰鬱な日々の暮らしに対し、なぜか唐突なはずのミュージカル部分が二人の愛の行方を解説。さらにポッカリ開いた穴が二人を繋ぐ。穴があったら入れてみたい。そしてラスト一杯の水に私は大爆笑と惜しみない大喝采を送りたい。やっぱこの監督信じてよかった。
台湾人はこれを観てどう思うのか私は知りたい。