ザ・リング2
また、あえるね。ババーン! ハリウッドでの凡庸なリメイク作の続編。監督はHideo Nakata…なんと! 日本近代ホラー映画の総本家というか総本山というか開祖というか元祖・中田秀夫! 『女優霊』『リング』『リング2』『仄暗い水の底から』、非ホラー『ラストシーン』も素晴らしく面白く、今や新作がいちばん楽しみな監督さんでございます。って見逃してる作品も多いのですけど、ともかく! 『THE JUON 呪怨』清水崇監督に続いて、日本人監督の見事なハリウッドデビュー作でございます。
と言いたいところ、中田監督らしいカッコよい映像・カット割りはいくつか見受けられ、いきなり庭に燃える木が現れ消えるシーン、シシー・スペイセク登場シーンなど感慨深いものあり、しかし、じわじわーっとホラーな気分を高めていく独特のカメラの動き・カットの積み重ねが今ひとつ盛り上がらず、中田監督はファイナル・カット(最終編集)権を確保できなかったのでは…? との印象、さらに脚本がアーレン・クルーガー、前作『ザ・リング』『レインディア・ゲーム』『隣人は静かに笑う』の人、まあそんな感じでこんな脚本ではにんともかんとも、そこら辺(どこら辺?)のアメリカ製ホラーよりは随分と面白く見られるものの、中田監督が存分に腕をふるえたとは言いがたい!
すでに前作で“貞子”を“サマラ”に翻案した時点で、お笑いなんですけど、そのサマラさんが、母さん恋しやホーヤレホーとナオミ・ワッツ母子を追いかけてくる、って『仄暗い水の底から』の二番煎じやん!
『THE JUON 呪怨』の場合は、日本を舞台にし、米国人俳優でリメイクしたことで、オリジナルとはまた違った面白さが生まれており、清水崇監督に好きなように撮らせた製作者サム・ライミは偉かったなぁと改めて感じるのですけど、中途半端な脚本で撮らざるを得なかった中田監督、誠に勿体ない話でございます。っていうか、それでも中田監督の新作が待ち遠しいことには変わりなく、今回の奇妙な続編づくりで随分フラストレーションもたまったことでしょうし、次回作はドカンとブチかましていただきたい! と一人ごちました。
あんまりホラーな気分が盛り上がらないので、ホラーが苦手な方にオススメです。
☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2005-Jun-29;