フォーガットン
『シックス・センス』以来、最も衝撃的なスリラー! ババーン! 確かに、『シックス・センス』以来どころか、かつてここまで衝撃的な映画があっただろうか? いや、ない! というくらい衝撃的な映画です。衝撃的過ぎて、見終わった瞬間フォーガットン! 一瞬で忘れてしまう映画として人々の記憶に深く刻み込まれることであろう。
宣伝文句曰く「ラストを明かすと記憶を失う」、忘れたいことがたくさんあるので、遠慮なく明かさせていただきます。
さて。ジュリアン・ムーアは、息子を亡くして14ヶ月、タンスの遺品を眺め、死んだ子の歳を数える日々。
ところがある日、いつも通りタンスから取りだしたアルバムを眺めれば……息子の写真がない! くりかえし見たヴィデオも消去されている! 旦那(アンソニー・エドワーズ)に、「ちょっとちょっと! あの子の思い出を消すなんて! なんちゅうことしとんねん!」と詰め寄ると、旦那曰く「…やっと、気づいてくれたか…。最初から息子はいなかったんだよ、すべてキミの妄想なんだよ」と言うではあーりませんか??
かかりつけの精神科医(あやしいゲイリー・シニーズ)も「これは治りかけの証拠だ」などというし……ホントに私の妄想・記憶の捏造だったのかしら? いや! 息子はホントにいたはず! 間違いない! と色々探っていくと…なんと!
以下、決定的なネタバレです。なんと! すべてはアメリカ国家安全保障局(NSA)の陰謀だったのだ! …だけならまだしも、すべては宇宙人の実験だったのです。私はあまりの衝撃にズッコケました。…途中、「ひょっとして…」と予感はありましたが案の定というか何というか…。
「息子を亡くした母の心は、いかにして癒されるのか/癒されないのか?」というテーマかと思ったら、「全部、宇宙人の仕業だよ。息子も無事だったよ」…って。ああよかった! つらい映画になるかとドキドキしていたのが、ウソのようにほのぼのしてしまった私なのでした。
閑話休題。気を取り直してここでなぜ、ジュリアン・ムーア、ゲイリー・シニーズなど一流どころを迎えて、こんなスカタンな映画が作られたのか? を考えてみます。
はっ! …ガガーン。…恐ろしい真相に思い当たりました。恐ろしすぎてここでは書けない! …と勿体つけるほどでもないので書きますが、
この映画が描いていることは、すべて本当のことだったのだ! ババーン!
宇宙人はアメリカ政府と結託して、人の記憶・歴史を捏造する実験を現実におこなっており、それをカモフラージュするため、この『フォーガットン』を作って大々的に公開したのである。
こういう映画を作っておけば、勇気あるジャーナリストが「我々は宇宙人にあやつられている!」と暴いたとしても、「そんな映画みたいなことあるかー!」とツッコミ入れられるか、黙殺されてしまう、というわけでございます。
そして恐るべきことに、その実験は、この日本で大規模に進行中なのです。私はその証拠をつかんだのですが、これ以上書くと、ある日突然オパールサイトからレビューコーナーが忽然と消え、誰に聞いても「そんなん最初から無いし」と言われるのがオチ、この辺でやめておきます。ガクブル。
そんな妄想はどうでもよくて、監督は『愛がこわれるとき』『マネートレイン』のジョセフ・ルーベン、まあ、そんな感じ、かつてここまで「入場料返せ!」と怒髪天つかされた作品があったでしょうか? って感じでオススメです。あれー、ぴょーん! といきなり跳んでいくシーンは爆笑もの、オススメです。
★(☆= 20 点・★= 5 点)
BABA Original: 2005-Jun-22;