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 Movie Review 2005年8月14日(Sun.)

チーム・アメリカ ワールドポリス

『サウス・パーク無修正映画版』のクリエイターが世界に放つ最終兵器!!!!! アメリカ フ★★ク イエー! ババーン!

『サウス・パーク無修正映画版』もたいそう素晴らしくアメリカ映画史に残る傑作でしたが、今回も最高、この映画を見る前と見た後では、アメリカ映画の見方が変わってしまう…というくらい衝撃的な傑作でございます。

「世界の警察」を自任する「チーム・アメリカ」、テロリストとの壮絶な戦いを描きます。チーム・アメリカの面々はヘイ、テロリスト! Terrorize This! と勇敢にもテロリストに立ち向かうのであった。

 オープニング、まるで、しりあがり寿のようなぞんざいなパリの背景に、ぞんざいなパペットが登場、意味不明ぞんざいなフランス語を発し、そこからカメラが引いていくと……というオープニングあざやか、ステレオタイプなパリの風景でツカミはバッチリです。

 やがてチーム・アメリカ登場、ミサイルの狙いが狂って、というか、狙いがぞんざいで、エッフェル塔やらルーヴル美術館を木っ葉みじんに破壊してしまう! それらが砕け散るさまを茫然と眺めるパリジャン+パリジェンヌ、口あんぐりの表情、まったく見事なオープニングでございます。

 近頃アメリカ軍による「俺たちが世界を守ってるんだぜ」的軍事行動を見事に寓意・暗喩、こういうアプローチは私が愛してやまないポール・ヴァーホーヴェン監督『スターシップ・トゥルーパーズ』を彷彿とさせます。

 監督・脚本・製作トレイ・パーカー+マット・ストーンは凄い! と思うのは、返す刀でハリウッド反戦リベラル俳優をもボロカスチョンに描くところです。

 リベラル左翼が幅をきかすアメリカ映画界にあって、「反戦俳優どもは北朝鮮に操られているのだ!」と実名をあげて虚仮にしまくり皆殺しにする、勇気というか蛮勇というか、良識クソくらえ的アナーキーさに私は茫然と感動しました。

 反戦俳優の代表はアレック・ボールドウィン、フィルム・アクターズ・ギルド代表、略して「F.A.G.」(おかま)! ネタバレですが、私、「アレック・ボールドウィン! 彼は最高の俳優だよ! 絶対勝てっこない!」というセリフに腹の底から笑ってしまいました。大声で笑ってすいませんでした。って誰にあやまっているのかよくわかりませんが、そういえばアレック・ボールドウィンも『パール・ハーバー』に出ておりましたね。

『トップ・ガン』『アルマゲドン』など、ジェリー・ブラッカイマー製作によるアメリカ大作映画の黄金パターンを忠実になぞっており、それが操り人形によって演じられると最高のコメディとなる。また、テロリストもリベラルもホークス(タカ派)も、総じて操られる存在なのだ…と、しょうもない隠喩を読み取ることも可能なのであった。

 まあそんなことはどうでもよくて、セリフ・脚本が素晴らしく、ギャグも秀逸、バカウケ大賞は「We have no Intelligence!」、ブッシュ再選からだいぶん日が経ってからの日本公開で面白さがちょっと薄れたかも? と思わないではないですが、『トップ・シークレット』『フライング・ハイ』などと同様に人々に愛され続けるアメリカ映画の古典となることでございましょう。バチグンのオススメ。

☆☆☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2005-aug-14;
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