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 Movie Review 2003・1月20日(MON.)

ゴーストシップ

『マトリックス』のプロデューサー=ジョエル・シルバー、『ロジャー・ラビット』のロバート・ゼメキス監督らが設立したダーク・キャッスル・エンターテイメントという会社がありまして、その会社名からもうかがえるようにウィリアム・キャッスルをリスペクトし、それ風のホラーを製作する会社だそうです。ウィリアム・キャッスルは、例えば、映画の終盤近く「ここから先は心臓の弱い方にはお見せできません」というテロップを出すなど小細工を凝らしたホラーを監督・製作したらしい。ふむ、さてはギャスパー・ノエの『カルネ』はウィリアム・キャッスルをパクっていたのか? という話はどうでもよく、さてダーク・キャッスルの設立第一作は、展開が早過ぎて恐がってる暇もない『TATARI』という作品でございましたが、そのダーク・キャッスルが満を持して、かどうかは知りませんが観客を恐怖の坩堝にたたきこまんと送り出したのが『ゴーストシップ』である。ババーン!

 してオープニング、イタリアの豪華客船を襲う惨劇に私は「来た来た来たー!」と大喜びしたのも束の間ですね、サルベージ船乗組員が「幽霊船」を発見、乗り込んでどうこうという本筋はもう退屈でしょうがないのでした。というか、ホラーはやっぱりショック、サスペンスを小出しに、小出しにしてクライマックスで一気にたたみかけるという構成以外は成り立たないのではないか? いきなりどのシーンよりもショッキングなオープニングで始めてしまってはホラーにならないのであります。

 ネタバレですけど、全然恐くなくてもですね、お話が面白ければまだ見ていられるのですが、肝心のお話も結局真相が「サタン」のお使いの仕業みたいなー、こうなってくると敬虔なクリスチャン以外は誰も恐がらないのじゃあないでしょうかね? というか、大いに脱力させていただきました。

 全然恐くないので、というか最初のシーンがいちばん恐いので、恐がりの方も大丈夫です。『ER』のキャロル婦長(ジュリアナ・マグリース)が大活躍するのが見どころのオススメです。

☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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