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 Movie Review 2002・6月19日(WED.)

ブレイド2

公式サイト: http://www.blade2.jp/

 ウェズリー・スナイプスが吸血鬼と人間のハーフ、吸血鬼の特殊能力を持ちつつ太陽光も平気、と、おいしいとこ取りヴァンパイア・ハンターを演じる傑作『ブレイド』(1998)、その第 2 作です。今回監督にメキシコ出身、『クロノス』『ミミック』のギレルモ・デル・トロを迎え…、むむむむ。いや『クロノス』『ミミック』はまあ面白かったんですけどね、しかし…。「活劇」の面白さ必須の『ブレイド』に、この監督の起用はどうか? と思うのです。

 監督のみならず、脚本もどうか? 今回、吸血鬼をさらにパワーアップした“リーパーズ”っちゅうですね、『ジーパーズ・クリーパーズ』みたいな顔色の悪い禿おっさんモンスターが突如現れ大暴れ、ブレイドと吸血鬼一族は統一戦線を組んでリーパーズと戦う、っちゅうお話なんですわ。むむむむ。

 吸血鬼一派と統一戦線を組むにあたってブレイドはいいます。「ふふふ。ここでヤツらと組んで、吸血鬼組織の内部に入り込めば吸血鬼をやっつける役に立つのさ、メーン」。…と、いいつつ、どう見ても休戦を申し入れてきたカンフー美女にお熱なのは明々白々やん! いいのか、ウェズリー? ヌルいぞお前。

 そもそも「ブレイド」の面白さは、鈴木雅之(シャネルズ)似の、見た目は好色そうなウェズリー・スナイプスがカンフー、チャンバラっちゅう禁欲をもって尊しとす武術をですね、カッコつけて駆使し、人の生き血を吸う白人どもをバッタバッタとなぎ倒して、ババーンとポーズをキメる、うーん超クール! カッコ悪いのかカッコいいのかわからん! メチャメチャカッコ悪い! いや、カッコいい! …と、いうブラックスプロイテーションフィーリングにあるのですね。よくわかりませんが。

 すなわち、ブレイドは孤独なストイック野郎でなければならぬ。それなのに、徒党を組むとは何ごとか? 美女にホの字とは何たることか? クールでないブレイドは最早ブレイドではない! と私は声を大にして言いたい。

 クールでないブレイドは最早ブレイドではない!

 しかも画面・美術にはギレルモ・デル・トロの美意識が横溢し…と、白人ゴス好きが喜びそうなテイストなんですよ。黒人の魂(ソウル)は何処へ? しかし! 「ブレイド」らしさが終盤突如よみがえります。罠にはめられ瀕死の状態から立ち上がって戦いへ向かうブレイドに、味方のクリス・クリストファーソン曰く、「ヘイ! ブレイド、忘れ物だぜ!」と、サングラスを投げる! ブレイド、チャッと受け取りサングラスを装着! ババーン! くー。イカすぜ! そしてブレイド、吸血鬼どもをバッタバッタとカンフー+チャンバラでなぎ倒す! す、す、す、す、素晴らしい! ブレイド最高!!

 …面白かったのはここだけでした。その他、格闘シーン満載なんですけど、『スパイダーマン』みたいな CG 使ったりしてね、こりゃアカンわ。私、CG 苦手。

 と、いうことで『ブレイド』の面白さを期待するとガッカリなんですが、ギレルモ・デル・トロの新作として見るとグチョグチョのグロシーン満載で好き者ウットリのオススメ。『ブレイド』1 作目は、ホンマにカッコいいので見てない方はぜひどうぞ。

☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Jun-19;

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