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Movie Review 2000・2月24日(THU.)

ブルー・ストリーク

 えーっと、アメリカではエディ・マーフィ、ウィル・スミス風の人気コメディアンらしいマーティン・ローレンスが宝石を盗んだモノの、あえなく御用、色々あって宝石は建設中のビルに隠しておいたんだけど、数年後出所してみれば、そこは警察署が建っていた、はてさて、と、話だけ聞けば「ちょっと笑える犯罪モノ」ってところで、なかなかおもしろそうなんだけど、主演 M ・ローレンスの芸に頼った脚本・演出、アメリカではお馴染みの芸風で、場内爆笑の渦、ってところだろうが日本ではティム・ロビンスと共演した『ナッシング・トゥ・ルーズ』ってのが公開されたぐらいで、なんぢゃコイツ、ベタなギャグかましやがって、と言いたいところだが、結構楽しく見られたのは、M ・ローレンス、某オパール上の 7 階・無国籍レストラン「アシャンティ」のコフィにそっくりだったりして、ついついあたたかい目で見守ってしまったのであった。

 宝石をめぐる「笑える犯罪モノ」ってことで思い出すのはピーター・イエーツ監督、ウィリアム・ゴールドマン脚本の『ホット・ロック』。見たことない方には絶対のオススメで、なんでいちいちそんな古い映画を引き合いに出したかと言うと、『ブルー・ストリーク』と比べれば、話のヒネリに雲泥の差があって、いや、この映画は M ・ローレンスの芸を楽しむ映画だから、そんなん比べたかてしゃあない、って気もするのだが、やっぱり M ・ローレンスの芸に馴染みがなくとも「お! おもろいやん!」って言わして欲しいのだ。『ホット・ロック』は話が二転三転、不条理とも言える展開を見せるが、『ブルー・ストリーク』の方は、コロコロ転がるのだけれど、どうにも転がり方が、あ、転ぶな、と予想可能の範囲内にてパッとしないぞ。

 こういうのは一定ルーティンを踏みつつ、ディテイルの差異でうならせるって方向性が考えられるんだけど、ルーティンといえば、まず「綺麗な姉ちゃん」。元彼女とか、なんでそんなダイナマイト・ボディやねん! って女性弁護士も出てきて、M ・ローレンスとアレコレあるのかと思いきや、ホントにどうでもいい役。さらにロサンゼルス市警とか FBI とか登場するのだけど、M ・ローレンスに手玉に取られて、驚くべき無能ぶりだ。ああ、そうか、アメリカではロサンゼルス市警とか FBI とかは馬鹿ばっかり、というコンセンサスが取れているんだなあ、警察の不祥事でわあわあ言ってる日本とは違うなあ、って妙なところで感心してみたりもするが、ステレオタイプに陥ってもいいから、キャラクターを立てなきゃ。

 あ、ちなみに『ブルー・ストリーク』とは、盗んだダイアの名前らしいです。この手の、京都では弥生座 2 とか、SY 松竹京映とかでヒッソリ話題になることもなく封切られる映画好きにはオススメだ。…ってもう、終わっちゃったのか。うーむ。

BABA Original: 2000-Feb-24;

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