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Text by 小川顕太郎
2006年05月17日(Wed)

土足は厳禁
憂国

 ワリイシさん来店。ワリイシさんは非常に怒つてゐる事があるといふ。それは、しばらく前から流行つてきてゐる、町屋や古い家なんかを改造して店にするといふ商売、あれに最近は東京資本が入つてきてゐて、なんと! さういつた店では、建物に土足であがらせる!!! といふ事に対してである。うむ、私も実は噂ではきいてゐた。が、ほんまかいな? と半信半疑であつたのだ。しかし、ワリイシさんによると、本当のやうだ。

 先日もワリイシさんは***といふその手の有名店に行つてきたさうなのだが、土間から「靴のままでどうぞ」と土足で室内にあげられ、絨毯が敷いてあるとはいふものの、明らかに畳みの上を歩かされ、その上で食事をしたさうなのだが、胸が痛んでしかたがなかつたといふ。

「だつて土足であがるやうに作られてゐないでせう。だからまだオープンして数年やけど、もうボロボロになつてゐて。これで、あの建物も終はり。今さへ良ければ、自分たちさへ良ければいいんか! と、腹立つたわ」

 なるほど。それは酷い。きくところによると、そこは廊下も土足で歩かされるといふ。ううむ、一体何を考へてゐるのか。そもそも家の中に土足で入る、などといふ文化は日本にはない。だからもしそんな事をすれば、心が痛んで当然なのだ。下手すれば精神に失調をきたしても、をかしくはない。それが、そんな事を平気でやつてゐるといふ事は……さうか、アメリカに洗脳されてゐるな。すつかり心は名誉白人(二流白人)なんだらうなー。

 やつぱダメだわ、東京資本は。京都は雅を守るためにも、東夷による植民地支配から身を守らなければならない。そもそも最近の東京自体、外国資本に一等地を買はれてビル建てられて、植民地化が進んでゐる、といふ話ではないか。うううーむ、尊皇攘夷!

 とりあへず、室内には靴を脱いで上がりませう。

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