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Text by 小川顕太郎
2006年04月06日(Thu)

極寒の花見
俳句

 寒さ激烈なり!!! 今年の花見はこの一言に尽きる。昼前から円山公園にて場所取りをしてゐたテラリーとショウヘイくんは、私が夕方に駆けつけた時にはすでに凍えてゐた。私は来たばかりだつたので、「そんなに?」といふ感じだつたのだけれど、2時間もすれば、もう芯から冷えてきた。さ、寒い。この寒さを紛らはすために、3人でお酒を飲みながら俳句を詠みまくる。

死者の声満ちて華やぐ花見酒

夜桜や男三人もの言はず

などとやつてゐたのだが、そのうちお酒もまはり、寒さも骨髄に徹してきて、

今にして思へばお互ひ花だつた

イナバウアー桜の下に舞ふ燐火

 などと、無茶苦茶になつてきた。そもそも私はこんな俳句を詠みながらも、“イナバウアー”ッて、よく知らないのだ。スケート選手だッけ? 女性? どこの国の人? …てな感じなのだけれど、言葉が頭の中を駆けめぐつてねェ。

 20時前に、トモコが着物姿でやつてくる。で、「えー、この場所、暗い。あつちの方が明るくていいんぢやない」と言つて、いきなり場所移動。8時間以上に及ぶテラリーの努力は何だつたのか。ま、どうでもいいけど。

 21時を過ぎたあたりからポツポツみんな集まり始める。21時半頃に乾杯。仕出し屋でとつた花見弁当を食べ、酒を飲み、桜を眺めて、みんな凍える。さ、寒すぎる! 

「これは拷問ですよ」と言ふババさんの一言で、撤退を決意。例年よりグンと早く、23時過ぎに円山公園を後にした。コータローくんから電話。「今からそちらに向かひます」。あ、場所オパールに移すし、オパールに来てよ。「はァ…」

 全く、酔狂にも程がある。

 ちなみに、今年の枝垂れ桜は刈り込まれて随分と小さくなつてゐました。

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