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Text by 小川顕太郎
2006年01月29日(Sun)

WB2
読書・文学

 雑誌「早稲田文学」がフリーペーパーと化した「WB」の2号が出た。別に宣伝を頼まれてゐる訳ではないが、今回から可能涼介の連載が始まつたので、ま、竹馬の友としてはチョイと触れておくか、といつた次第。

 前回に引き続き、大西巨人の連載小説もあるし、大塚英志の連載批評は絶好調だし、スガ・ワタナベ組は相変はらずだし、インタビューは古川日出男だし、中原くんも出てくるし、薄いながらも読みどころ満載。これだけあれば、別に可能の連載なんてなくても良いだらう、といふぐらゐ。いや、なくてよい、と言つてゐる訳ではないんですよ。可能の文章は、例によつて可能節が炸裂してゐて、なかなかに面白い。この「WB」の中でもトップクラスに面白いと思ふ。いや、マジで。が、しかし……顔写真がなァ。恐すぎるこの「WB」の中でもトップクラスに恐いと思ふ。いや、ホント。これが私の幼馴染みだとは、とても思へない。こんな顔だつたかなァ。んー、確かにどう見ても可能涼介なのだが、どうも本人ではないやうな気がする。もの凄く精巧にできた偽物、といつた感じ。まるで自分がカプグラ症候群になつたやうな気持ちです。

 それはともかく、これは可能から聞いて「へー」と思つた事なのだが、「早稲田文学」がフリーペーパー化した事によつて、ただでさへ安かつた原稿料が、もう0円になるかと思ひきや、なんと5倍になつたさうだ。雑誌形態から、薄いペーパーの形態にした事によつて、凄く経費が浮いたといふ事だらうが、なんか面白いですね。ま、それだけなんですけどー。

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