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Text by 小川顕太郎
2005年11月15日(Tue)

ブッシュ来京
憂国

 本日はブッシュ大統領が京都に来てゐるんですよねー。小泉と会談するらしい。ま、会談と言つても実質はブッシュから小泉への指示・命令なんでせうが、さういふ屈辱的な事を京都でやらないで欲しい。と言つてみたのはとりあへずの事で、本当はこの1週間ほど大量の警察官が街中をウロウロして鬱陶しいから止めてほしいのだ、こんな事は。

 そのせゐかどうかは分からないけれど、ここ数日は街中に人がゐない! 明らかにクルマの量は減つてゐるけれど、人まで街から払底するとは。もしかしたら寒さのせゐかもしれないけれど、ま、お互ひの相乗効果でせうな。おかげでオパールも殺人的に暇で暇で、ほとんど死にかけてゐる。散々日本からお金を搾り取つておいて、さらにこんな形で京都を、オパールを、狙ひ撃ちにするかー! ブッシュ!! と、被害妄想に陥つたりしてこちらも大変なのだが、実際この厳戒態勢を見てゐると、この人たちもなんらかの被害妄想に陥つてゐるのでは? などと考へたりする。

 今日見たときは三条で河原町通りを下がつてくるクルマは全て止めて、一台一台調べてゐたので、とんでもない渋滞が起こつてゐた。ジェラルミンの楯を持つた機動隊まで出動してゐて、大袈裟な、とボンヤリ思つたりした。今の日本人に、何か事を起こすほどの根性を持つた奴はゐないッつーの。ゐたら一寸嬉しいけれど。あ、日本人ぢやなくても、日本にゐる外国人で根性を見せる奴がゐるかもしれない、といふ事かな。それでも、日本で事が起これば日本の警察の恥だ、といふ事なのでせうな。大変ですね。

 ババさん来店。「映画『春の雪』の行定監督のインタビューを読んだんですが、凄かつたです! なんで清顕があんな全てをぶち壊しにする行動に出るのかといふと、宮家に嫁ぐくらゐの人に恋をしたのに畏れを抱いて、素直に感情を出せなかつたからだ、と言ふんですよ! 戦前は今と宮家に対する感情がまるで違ふので、ああいふ行動に出るのもおかしくない、と」

 そ、そ、それッて、100%原作を誤読してゐるぢやないですか! …ちやんと三島とか読んだことあるのかな、行定監督?

「いや、多分、『春の雪』一冊だけでせう。それも恐らく斜め読み」

 うーん、主演の妻夫木くんも、原作を読まずに臨んだ、と公言してゐたし、酷いですね、これは。もつと“文学”や“映画”に対する“畏れ”の感情を持つてほしいですよね。テレビぢやないんだし。

「いや、実は“畏れ”の感情を持つてゐるが故に、素直な行動に出られなくて、無茶苦茶やつてゐるのかもしれませんよ」

 さうか! それで進んで全てをぶち壊す行動に! ……ッて、なんでやねん!

Comments

投稿者 Kiku : 2005年11月20日 15:07

初めてコメントさせていただきます。Kikuと申します。
私は今、シナリオを勉強しています。
いつから?何の?きっかけでこちらにお邪魔させていただくようになったのか覚えていないのですが、よく拝見させていただいています。
とても勉強になります。
昨日、友人の舞台役者と“文学”や“映画”に対する“畏れ”を熱く語ったばかりでした。(笑)
話題の元は行定監督では無く、向田邦子の作品がメインでしたが・・・・・
京都に行ったら是非、寄らせて下さい。

投稿者 店主 : 2005年11月20日 17:46

Kikuさん こんにちは!

我々の勝手な放談を読んでいただいてゐるやうで、ありがたうございます。正直、少々赤面の至りでございます。Kikuさんはシナリオを勉強してをられるのですね。それは素晴らしいことです。最近は万事が軽くなつて(“軽薄短小”と上の世代から痛罵された我々80’の世代より軽くなつてゐるやうな気がします、個人的に)、あらゆるものに対する“畏れ”がなくなつてゐるやうな気がしますが、さういつた風潮に負けず、健闘される事を祈つてをります。
京都に来られた時は、是非オパールにお立ち寄り下さい。お待ちしてをりますー。

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