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Text by 小川顕太郎
2005年10月26日(Wed)

サンズン景品
etc

 サンズン来店。とうとう来たか、サンズン。いつも“来る、来る”と空約束ばかりだからな。で、約束の豪華景品はあるんだらうな。

「はい、もちろん、クルマを5台ほど。明日、会社帰りに持つて来ます」

 会社帰りに持つてくる? クルマを5台も、どうやつて持つてくるんだ?

「それは、もう紙袋に入れて。だいたい、2千円くらゐの価値はある代物です」

 2千万円?

「いえ、2千円です」

 2千万だな。

「ハッハッハ! いや、だから2千円ですッて」

 2千万といふ事にして、みんなに宣伝しておくから。

「ハッハッハ! ダメですよ!」

 ダメなんはどつちだ! 2千円のクルマ、といふ豪華賞品があるか!

「ハッハッハッハッハ!!!」

 その後、サンズンはテラリーと話し込み、盛り上がる。テラリーは年下なので、サンズンは思はず様々な訓辞を垂れてゐた。

「誰かの言つた言葉で、かういふのがあるんだ。『本は身の回りに積んでゐるだけで読んだ事になる』。これぞ名言だと思つたね」

「へ? そんなのおかしいですよ。本はいくら積んでても読んだ事になりません」

「いや、でも、さういつた考へ方もある訳だよ。そして、それもまた、人生のある真実を照らし出してゐるんだ」

「そんな事ないですよ。積まれた本は積まれた本です。読まれた本とは違ひます」

 だからな、テラリー、サンズンはかう言ひたい訳だよ。『オパールにはホームページを見てゐるだけで来た事になる』と。

「なるほど!」

「ハッハッハッハッハ!!! 勘弁して下さいよ!」

 何でも笑つて誤魔化すな。

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