禁煙ファシズムと戦う
[憂国]
『禁煙ファシズムと戦う』小谷野敦編著・斎藤貴男・栗原裕一郎(ベスト新書)を読む。この本は、一貫して禁煙ファシズムと闘ひ続けてゐる小谷野敦が、“禁煙ファシズムと闘つてゐる”文章を集めて一冊としたものである。私にとつては、ほとんどがすでに目にした文章の収録となつたが、それでも加筆がなされてゐるものもあるし、なにより私は読んだものを片端から忘れていく習性を持つてゐるので、新鮮で面白く一気に読んだ。禁煙ファシズムとの闘ひが簡単に一望できるので、是非とも全ての人にオススメしたい本である。
さて、かうした本が出てゐる間にも、禁煙ファシズムは着々と進んでゐる。たとへば今月号の「Newton」にも、健康診断を巡る小論の中で、二人の専門家が、とにかく喫煙は身体に悪い! みんな高血圧や肥満を気にしますが喫煙に較べたらそんなもの屁でもない! 喫煙さへ止めたら寿命は延びる! 、などといふ事を言つてゐるが、ハッキリ言つて、こんな言説はいい加減な眉唾物である。などと言へば、えー! 「Newton」のやうな権威のある雑誌で、しかも専門家の人たちが断言をしてゐるのに、いい加減なんて事あるかなー? と思ふ人もゐることでせう。が、こちらも断言しますが、そんな事はあるのです! あり過ぎるほどです。
私も今年で36歳になり、まー、それなりに本などを読んできた訳ですが、さうすると“権威”のある媒体で、“専門家”の人たちが、“科学的”と称するデータをもとに、“断言”した事柄が、後からただの嘘ッぱち・間違ひ・ペテンだと判明した、といふ事実を何度も目撃することとなりました。私も何度も騙されました。だから苦渋を籠めて言ひますが、“権威”や“専門家”や“科学的”を盲信してはいけません!(ましてやテレビや新聞のやうなマスコミは決して信用してはいけません)やはり時間をかけて自分でそれなりに調べるのが大切でせう。それから、なんでも一度は疑つてみる、といふ態度。もちろん、私のこの文章も疑つてみて下さい。そして自分なりに色々調べる、と。
とりあへずポイントは、喫煙、特に受動喫煙の身体に対する有害性は、いまだ証明されてゐない、といふ事です。だから、頭ごなしに「喫煙・受動喫煙は身体に凄く悪い!」と書いてあるやうな文章は、まづ疑つてよいでせう。むろん、喫煙が全く身体に悪くない、などとは私も思つてゐません。そりゃ、悪いでせう。が、それも程度問題で、それほど悪いものなのか、寿命を大幅に左右するほど悪いものなのか、は、かなり疑問です。喫煙より悪いものなんて、この世にいくらでもある。たとへば自動車の排気ガス。こちらの方は、ハッキリと身体に悪い。自動車内に引き込んで自殺する人がゐるくらゐですから、確実に死ぬ。煙草の煙より遙かに有害です。煙草の方は、ヘビースモーカーで90歳以上まで生きた、なんて人は結構ゐる。実際、マウスを使つた実験でも、煙草の煙で死なすのは至難の業らしい。
しかし、禁煙ファシズム側も、最近はどうやら受動喫煙の害を宣伝するのは無理があるらしい、と考へる人たちが増えてきたやうで、新たな理屈で攻撃を始めてゐます。その代表が「社会コスト論」で、ま、一種の全体主義・ファシズム論です。たとへ他人に害を与へてゐなくても、本人が喫煙などの不健康な生活を送るのは社会にとつてマイナスだからダメ! といふトンデモない考へ方で、日本ではなんと! 2年ほど前に、この考へ方を体現した「健康増進法」なるものが出来てしまひました。おお! これぞホントにマンマ(禁煙)ファシズム! 馬脚を現しをつたな! クゥワッハッハッハ!!! …などと笑つてゐる場合ではない。マジでヤバイですよ、このままぢや。
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