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Text by 小川顕太郎
2005年09月24日(Sat)

作品制作
書・篆刻

 ワリイシさん来店。知つてゐる人は知つてゐると思ふが、ワリイシさんは画家さんである。もうすぐ行はれる個展に向けて、現在は鋭意作品を制作中との事だが、さういへば私も、もうすぐ篆刻教室の展覧会があるのであつた。

 例によつて、まだ何も手をつけてゐない。やばいな、そろそろ。むろん私は自分の事を篆刻家とは全くアイデンティファイしてゐない。趣味として、あるひは学問のつもりで篆刻に接してゐるので、あまり“作品”を作らうといふ意識がない。だから…‥と、毎年言ひ訳してゐるやうで、自分でもイヤになつてきたが、とにかく作品を出さない訳にはいかない。ゴチャゴチャ言つたり、こんな文章を書いて(打つて)ゐる暇があつたら、やればいいのだ。やれ! …と、自分を叱咤してみるが、これが、また、何故か忙しくてねー。あー、出品料2万円もまだ払つてゐない。財布の中身がカラッポだ。とにかく、前日までに何とか仕上げ、締切は過ぎてゐるので、初日の搬入の時にコッソリ持ち込むしかない。うーん、間に合ふかな? 

「そんな、2万円も払つて、やッつけの作品でいいんですか!」

 むむむ、確かにそれはさうなんだけど、仕方がないではないですか。それより、ワリイシさんの方こそ、仮にも芸術家たるものが、個展の締切に間に合はせるために作品を量産していいんですか? 納得できる作品が、しかるべき数溜まつた所で、個展を開くんぢやないんですか? 

「うッ…それは。…でも、大抵の人は、締切がないと作品なんてチヤント作らない、と思ふんですけど」

 いや、ま、いいんですけどね。

「それより、最近はうちの使つてゐる絵具が、多分環境の問題だと思ふけど、ドンドン廃版になつてきて困つてゐる。またさういふ情報が流れると、廃版になつた色を全部買ひ占める人とか出てくんねん。自分が使ふ一生分、とか言つて。困るわー」

 大変ですね。かうなれば、自分で絵具を作るしかないですよ。ついでにオリジナルな色も作つて下さい。ラピスラズリとか入れて。

「それ、平山郁夫やん! …ちやんと作品が売れて、元がとれるんなら作つてもいいけど」

 あァ、焦つてきた。

Comments

投稿者 @わ : 2005年09月28日 11:09

篆刻展の告知をお願いします。

投稿者 店主 : 2005年09月28日 15:28

はい。第20回畦石舎作品展は10月1日〜3日。みやこメッセ地下1階にて。夕方の17時までやつてゐます。今回は特別陳列として、近代著名文化人の書簡が展示されます。私の作品は・・・ないかもしれませんが、そんな事は気にせず、興味のある方はお越し下さい。

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