重税国家 日本の奈落
[憂国]
副島隆彦の新刊『重税国家 日本の奈落』(祥伝社)を読む。これはまた、強烈に面白い本であつた。この本は、先日の9月11日に行はれた衆議院議員総選挙に合はせて緊急出版されたもののやうで、緊迫感がいつもに増して凄い。行間からビリビリとした怒りが伝はつてきて、時折それが噴出・爆発する様はホント凄く、思はず笑つてしまふ程だ。
たとへばサラリーマン増税の一部として、サラリーマンの給与所得控除を見直す(要するに控除を減らす=税金をあげる)と発表した財務省の資料を読んで、「この資料を作成した財務省のバカ役人は、本気でこれを書いたのか。いったい、どこから計算したら、1年間のサラリーマンの衣料費(被服費)が2万7千円で済むというのか。いいか、財務官僚ども。よく聞け。お前たちのスーツ代やワイシャツ代が「1年間で」2万7千円で済むと本当にお前たちは考えているのか。お前たちの頭はたしかか。今、お前たちが着ているワイシャツ1枚が2万7千円するではないか。年に1着は買うだろうスーツが2万7千円で買えるのか! 馬鹿やろう。」と爆発する。凄い。凄すぎて笑つてしまふ。…が、この笑ひはすぐに凍りつくのだ。財務省は本当にこんなバカな事を、平気で言つてゐるのである。
これはどういふ事かといふと、サラリーマンは1年間に2万7千円分しか仕事用の服を買つてはいけない。それ以外は個人の贅沢と見なして税金をかける、と言つてゐるのである。他にも理髪料、洗濯代が1万7237円、新聞・書籍が5万5087円、つきあひ費が1万5674円…と、目を疑ふやうな数字が並んでゐる。サラリーマンは贅沢のし過ぎ、年間の飲み代は1万5千円くらゐに抑へて、もつとつつましやかに生きていけ。後はひたすら働いて税金をもつと納めろ! といふ事だ。酷い、酷すぎる! 副島隆彦でなくても、バカ野郎!!! と怒鳴りたくなるではないか。ここまでバカにされて怒らない人間がゐるだらうか? …と、いふ訳で、この度の選挙ではサラリーマンの怒りが爆発、現代の一揆が起こつて小泉は敗れ去るだらう…と、この本には書いてある訳だが、むろん、選挙の結果はすでに出てゐる。小泉は大勝。これは…やつてられませんねー。
小泉政権になつてから4年以上、景気は全く回復しないのに税金だけはあがり続けた。普通、こんな状態になれば人民は怒るものなのに、何故みんな怒らない? 小泉に「痛みに耐へよ!」と言はれて、陶酔してゐるマゾなのか? マスコミに洗脳されて、自分で考へる事ができなくなつてゐるのか? 日本は赤字だから多少の増税は仕方がない、とか考へてゐるのか? そのうち小泉の改革が効いてきて世の中が良くなる、と本気で信じてゐるのか? それなら、その考へは大きな間違ひです。と、断言する理由が、この本に書いてある。それを採るも採らぬもあなたの自由。まづはこの本を手にとつて、一度副島節に酔つてみてはいかがでせうか。
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