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Text by 小川顕太郎
2005年08月29日(Mon)

ミッフィー展
アート

 トモコが大丸京都店で行はれてゐる「ミッフィー展」に行つてきた。実を言ふと私も明日にはこれを見に行くので、今日は書くこともない事だし、まとめて本日に感想を書いてしまおうと思ふ。

 さて、ミッフィーと言へば、その生みの親ディック・ブルーナ。ブルーナと言へば、オランダを代表する、いや世界を代表するグラフィック・デザイナーのひとりである。マティスやレジェに影響を受けたといふそのシンプルでカラフルな造形表現は、ミッフィーの中に完璧に体現されてをり、ミッフィーがこれ程の人気を誇るのも、その高い芸術性ゆゑだと思はれる。ブルーナ本人は、「こどものために絵本をつくっているわけではありません、わたしはグラフィック・デザイナーなんです」(「芸術新潮」2004年3月号)と語つてゐるやうに、ミッフィー以外にもグラフィックデザインの代表作は多い。今回の展覧会でも、それらの一部(本の表紙など)は展示されてゐたけれども、何と言つてもこれは「ブルーナ展」ではなく、「ミッフィー展」である。ほとんどが“ミッフィー”及び“うさこちやん”で占められてをり、会場内は子供たちが走り回る、といふ展覧会であつた。特に、ミッフィーの人形アニメを放映してゐるテレビは人気で、これはNHKで放送された事のあるものらしいのだけれど、その気の狂つたかのやうな素ッ頓狂な主題歌に合はせて、「ミッフィー、ミッフィー、ミッフィーちやん〜!」と子供たちが合唱しながら踊つてゐるさまは壮観であつた。う〜む、確実に洗脳されてゐるな。

 しかし、見れば見るほど感心せざるを得ないそのデザイン性の高さを眺めるにつけ、かういふものに洗脳されるならば幸せだらう、と思へてくる。実際、トモコも幼少の頃から、“うさこちやん”→“ミッフィー”と熱狂し続けてをり、今回の展覧会でもなんやかんやとミッフィーグッズを買ひ込んでゐた。さういへば、ミッフィーのノベルティーが欲しいばかりに、あさひ銀行に口座を開いたりしてゐたなァ。今回の展覧会も、とにかくグッズ売り場が充実してゐる! 子供たちが「これ買つてー!」と、手に手にミッフィーちやんを持つて叫んでゐるのを「はいはい」と軽くあしらいながら、自分自身のミッフィーちやんを買ひ漁る大人たちの姿が印象的であつた。

 フッと気がついたのだけれど、この展覧会はもう丸2年も日本中を巡回してゐる。よほど人気があるのだらう。それと、グッズが売れて、売れて、儲かつて仕方がないから、やめられないんだらうなァ。ミッフィー偉大なり。メイク・マネーしまくつてをります。

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