首がピキッ
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ヤマネくん来店。「実は…首をやつちやつたんです!」と元気に言ふ。今日の朝、ウーンと伸びをした途端に首がピキッとなつて動かなくなり、医者に行つたところ「2週間は安静、絶対にスポーツとかしないやうに」と言ひ渡されたといふ。
そんな、明日はボーリング大会、テラリーの総合優勝を阻止するために、前回優勝者のヤマネくんには是非今回も優勝して貰はないと。「うーん、それは無理かもしれませんねー、ま、一応出場しますけど」。さうか…なら、期待はコータローくんの一身に集まるな。「あ、コータローは、予定があつて来られないさうです」。ガーン! ま、まずい。なんでかう事態がテラリーに有利に展開していくんだ。「テラリーは調子がいいし、オパールは調子が悪いしで、いいことがないですね!」。そんな落ち込ませるやうな事をやけに明るい声で言はないでくれ。大体、いきなり今日になつて首をピキッとさせたヤマネくんが悪い!
「ははは。さうかもしれませんね。実はボク、高校生の時にヘルニアになつてゐるんです。スポーツヘルニア。それで、普段から無意識に腰を庇つてゐるやうで、その負担がズーッと首に掛かつてゐたみたいなんです。それで、ピキッと。…さういへば、高校生の時にヘルニアになつた日のことを覚えてゐますよ。朝、学校に行かうとしたら、突然腰にきて、そのままバタリと居間のソファに倒れ込んで動けなくなつたんです。両親がちやうどゐなかつたんで、どうしやうと思ひながら苦しんでゐたら、powerが居間に降りてきたんで、良かつたー、これで助かつたー、と思つて、powerに『動けないから助けて』と言つたら、『またまた』とか鼻で笑つて、そのまま学校に行つてしまつたんですよ!! それでボクは地獄の苦しみの中に放り出された訳ですけど、あの日のことは一生忘れません…」
本日トモコが、ガラスをスモークで隠したレクサス(?)を見つけ、いかつー、と思ひながら見てゐると、そのレクサスの横をパトカーがサイレンを鳴らしながら通り過ぎた瞬間、いきなりレクサスの中から手が出てきてサイレンをクルマの上に乗せ、同じ様にサイレンを鳴らしながらパトカーの後を走つていつたといふ。覆面パトカーか? レクサスで? …もう、世の中何も信じられません。
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