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 Diary 1999・10月12日(TUE.)

連休明け

 今日は連休明けだ。だから暇だろうと思って店に行くと、案の定暇だった。このことは私の予測能力の高さを証明するというよりは、社会法則の強力さを証明するだろう。もちろんこの社会法則を的確につかみ、自らの願望などの不純物(お客さんがたくさん来ればいいなあ、など)を除いて客観的に適用し、「本日オパールは暇である」という結論を導き出したことは、結果として私の予測能力が高いことを示しているといえるだろう。以上のことは次の効果がある。

1 、私の予測能力の高さが証明された事により自尊心が満足され、お客さんが来ないという事実の辛さを和らげられる。

2 、社会法則の強力さが証明された事により、お客さんが来ないのはオパールだけではない、オパールのせいではない、と思える。(実際私は「今日は連休明けだから仕方ないね」と少なくとも 30 回は言ったと思う)

3 、オパールも社会法則の適用される世間並みの店になった事がわかり、自らの成長を確認できる。(去年のオパールには社会法則は適用されなかった。連休だろうが、連休明けだろうが関係なく暇だった)

 これらの効果により深く安心立命の境地を得た私は、ベッチに貰った麦焼酎「クロウマ」の杯を傾け、ソウルミュージックに身を任せた。

 しかし、ここで安心していてはいけないのではないだろうか。資本主義社会においては全てのものがモードとして瞬くまに消費される。オパールも今でこそ「『京都系。』セレブリティーの集う店」「京都カフェ界に新風をまきおこした名店」などと、各メディアでもてはやされているものの、来年にはその存在さえ忘れられている可能性がある。今日のこの暇さ加減はその兆候かもしれない。こういう些細な兆候から素早く先を読み取り、誰よりも早く次の手をうつのが、優れた経営者というものだろう。

 そこで私は考えた。これからはカフェだけではダメではないだろうか。何か他の業者との融合が必要だろう。さしあたっては現在「クルージン」などで展開をはかっているクラブ機能の拡大、ライブなども可能なスペースとしての改装あたりから始めるか。店名も「アナルインパクト」とかに変えて…。はっ!! 私は今とんでもない所にいっていたのではないだろうか。いかんいかん。ここはひとつ町田康の歌でも歌って厄払い。「どうにかなんとかなるだろう」

 今日は東北からもお客さんが来てくれた。「るるぶ」を片手に写真を撮っていかれた。

 よし! 次は東北方面のお客さん拡大だ!

小川顕太郎 Original:2000-Oct-14;