Diary 1999・7月30日(FRI.)
惰眠を貪る
昼頃に起きると、とにかく暑い。食欲もまったくわかないながらも、トモコが作ってくれたミネストローネスープを腹に流しこむ。クーラーをガンガンにかけて室温は下がったものの、気持ちはゆだったままで畳の上にゴロゴロと寝そべりながら、金井美恵子の目白四部作を本棚から引っ張り出してパラパラめくったりダラダラ読み返したりする。『小春日和』の桃子のように惰眠をひたすら貪りたい! と思っているうちに本当に寝てしまい、気付けば FAX が 3 枚も来ていて時計はもう店に行かなければならない時刻を示していた。シャワーを浴びて目を覚ましてから店へ。
ミツギちゃんとヤマネくんが一緒にやってくる。ついこのあいだ仕事を辞めたばかりのミツギちゃんがもう新しい仕事をみつけたという。滋賀のハーブ園でハーブやブルーベリーを育てる仕事だそうだ。当分は見習いで日給 5 千円。そりゃ安いんとちゃうか、と皆から一斉砲火を浴びていたが、私はこれでハーブやブルーベリーがタダ同然で手に入るとひとりほくそえんでいた。
一方ヤマネくんはオパールのホームページが毎日更新しているといって大騒ぎ。だが、そんなの当り前ではないか。まだ始まったばかりなのに更新ぐらい毎日しないでどうする。物事はなんでも最初が肝心というでしょ。三つ子の魂百までもとも、センダンは双葉よりかんばしともいう。別にヤマネくんが言うように「ものすごくヒマ」な訳では決してないのだよ。なにしろ私の現在の最大の望みは、思う存分惰眠を貪りたい、なのだから。
小川顕太郎 Original:1999-Jul-1;