京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

HOME > diary > 99 > 1220
 Diary 1999・12月20日(MON.)

ファイト・クラブ

 ヤマネくんに車に乗せて貰って、トモコと 3 人でイオンシネマ久御山に『ファイト・クラブ』を観にいく。劇場はさすがの広さであり、椅子も座り心地が良く、音もいいし画面もでかいしで、すこぶるイイ感じ。で、映画の方は? トモコの感想は「まあまあ」、ヤマネくんは「2 回目ともなるとつらかった!」、私は「そこそこ面白い」。

 うううむ、ババさんによると、ブラッド・ピットは「フィンチャーはキューブリックの後継者だぜ!」とか言っているらしいが、それはやっぱり違うだろう。世の中には「天才」と言っても差し支えがない監督が何人かいて、パゾリーニなんかは完全にそうだけど、キューブリックも「天才」のひとりだと私は思う。そしてこの『ファイトクラブ』を観るかぎり、フィンチャーは「天才」ではない。天才でない人の作った傑作=『ファイト・クラブ』は、天才の作った駄作=『アイズ・ワイド・シャット』にも、ある意味劣るというのが私の持論だ。『ファイト・クラブ』は、そこそこよく出来た娯楽映画だと私は思う。でもそれだけ。20 世紀フォックスの重役連は本当にこれを観て青ざめたのか? 私にはメジャーにふさわしい人畜無害な映画としか思えんが。

 映画終了後、タケダくんを途中で拾って天理市までドライブ。ヤマネくんおすすめの「彩華ラーメン」を食べにいくのだ。残念なことに屋台の方が閉まっていたので、店の方で食べる。大蒜と白菜の大量に入ったラーメン。なかなかおいしい。鳥の空揚げと揚げ餃子も食う。

 そのあと天理教の本殿を見に行く。私もトモコもはじめてだったのだが、その大きさに感嘆。暗くてよく見えないのだが、シンメトリカルな構造もかっこよい。本殿前の広場が広くてバーっと開けているのも気持ちがよい。本殿に入る。靴を脱いでいると、掃除をしている人に「こんばんは」と挨拶されたので、私も「こんばんは」と挨拶をかえす。一歩中に踏み入れる。中もめちゃ広い。畳がつるつる滑るほど磨き上げられている。今日はとても寒かったのだが、何人か道着みたいなのを着た人達が立っている。寒くないのだろうか。

 どうしてよいかわからず、しばらくそこに佇んでいたが、せっかくなので真ん中まで歩いて行く。真ん中にも着物を着て烏帽子みたいなものを被った人が二人、座っている。そこでお参りをすべきかと思ったのだが、天理教のお参りのやり方がわからず、もし違うやり方をして失礼になってもいけないと思い、そのまま引き返す。入れ違いに信者らしき人が入ってきて、最初の柱の所にいきなり座り込んで御辞儀をし、柏手を打って何やら唱え始めた。なるほど、ああやるのか。しかしめちゃ寒いです。時刻は午前 2 時を大幅にまわっていました。

 帰りに「ジョイフル」という 24 時間やっているファミレスに入ってコーヒーを飲む。壁紙も天井も全て木や煉瓦のプリントで、チープ感爆発の店。おまけにコーヒー 150 円と安く、おかわり自由、そして我々 4 人の貸し切り! 出てきたケーキもパチモンくさかった。

 帰り道、ぐったり疲れて口もきけないヤマネくん。そりゃそうだ、朝から働いてたんだから。すまんな、ヤマネくん。眠りそうなのをグッと堪えてビュンビュン車を飛ばすヤマネくん。もしかして我々に生きる歓びを味あわせようと思っているのでは…。

小川顕太郎 Original:2000-Dec-22;