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 Diary 1999・12月13日(MON.)

親愛なる日記

 この世には僕の大好きなことがある! それはノーザンソウルを聴いて踊ることだ。映画を観るのはそれほど好きじゃない。それでも今日はみなみ会館にモレッティの「親愛なる日記」を観にいく。ベスパに乗っていこうかとも考えたが、やめた。風邪だしね。それにトモコと二人のりじゃあ「ローマの休日」みたいになってしまうから。

 いや、最高。非常にいい映画でしたね。「フラッシュダンス」を観て人生が変わった人間、ベスパに乗って街を走るのを愛する人間、パゾリーニの殺害現場にまで行く人間、こういった人間こそ信頼に価する。「この世には僕の大好きなことがある!」大好きなことがある人間は、大好きなものを守るために闘うだろう。モレッティの闘いは私の共感を呼ぶ。なぜなら私も、まさにこの今書きつつある「親愛なる日記」において闘っているからだ。などと書くとかっこよすぎますね。

 そういえばオイシンはこの映画を観たのか? 観るように言っておいたのだが。あのなオイシン、「興味の主軸」というのは、この映画の冒頭でモレッティが日記に書き付ける「この世には僕の大好きなことがある!」という言葉のことなんだよ。大好きなこと=興味の主軸がある人間は、それを守るために闘う。「闘う」といえばまるで何かと喧嘩するみたいだが、そうではなくて、「何かを作る」ということそれ自体が「闘い」なんだ。だから興味の主軸がない人間はものを作る資格がない、といわれるわけ。分かった?

 映画にはババさん、ヤマネくん、タケダくんをはじめ、オパールによく来てくれるお客さんが結構来ていた。みなさん、分かっておられる。マチデくんもちゃんと来ていたことから、みなみ会館のすぐそばというマチデくんの部屋を襲うことにする。

 マチデくんには同居人がいて、二人で部屋を借りているのだが、そんなことには一切構わずおしかけるオパール軍団。なんと女の子まで遊びにきていたのだが、「あ、悪かったかなあ」といいながらみんなでソファを動かして座りやすいようにし、勝手にワイワイと飲み食いを始める。「気を使わないでねえ」といいながらソファにふんぞり返るババさんと私。

 明日にはデロンギ社のオーブンが届くという話を聞いて「じゃあ、明日まで残ってみせてもらおうか」と提案し、マチデくん達の顔をひきつらせるヤマネくん。「これからここはオパールの南支店として使おう!」と調子にのるタケダくん。あまりの傍若無人さに圧倒されながらも必死にもてなそうと頑張るマチデくん。

 夜も更けて午前 1 時をまわった。そろそろ集まりが「ソドムの市」へと化そうとしはじめたとき……「さあさあ、もう帰りますよ! マチデくんたちは私達と違って堅気のサラリーマンなんですからね!!」というトモコの鶴の一声で集まりはお開きになった。でもババさんも確かサラリーマンなんだけど…。

 ヤマネくんにエキスポ車で送ってもらう。ヤマネくんの運転は実に乱暴で素晴らしい。これぞ送ってもらう醍醐味だ。イエイ!

小川顕太郎 Original:2000-Dec-15;